労働政策

JIRRA労働政策研究会議(続き)

一日開いてしまいましたが労働政策研究会議のご紹介を続けたいと思います。山田先生に続いて阪大の水島郁子先生が「デフレ脱却後の賃金のあり方−労働法の視点から」と題して報告されました。労働法学者がデフレを論じるというのもなかなか大変だろうと余計な…

JIRRA労働政策研究会議

昨日開催されたので参加してまいりました。ほぼ毎年参加してこのブログで感想など書いていますが、昨年は準備委員をおおせつかって開催者サイドに加わりましたのでブログでの紹介は控えました。ということで2年ぶりの感想ということになります。 午前中は例…

「ブラック企業を早期公表」フォロー

先日のコラムでご紹介した記事で「塩崎恭久厚労相が18日に臨時で全国労働局長会議を開いて指示する」とされていた会議が開催され、厚労省のウェブサイトで資料が公開されましたのでフォローしておきたいと思います。 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000…

ブラック企業を早期公表?

今朝の日経新聞から。 厚生労働省は違法な従業員の長時間労働を繰り返す大企業に対し、是正勧告の段階で社名を公表する方針を固めた。毎月の残業時間が月100時間を超す従業員が一定割合を占める状況を対象にする方向だ。これまでは是正勧告に従わず、書類…

「成果で評価」をめぐって

読者の方から日本労働弁護団の「エグゼンプションを「成果に応じた賃金制度」と喧伝することに抗議する声明」について見解を求められたので少し書く。普通であれば労働弁護団の声明をとりあげても議論がかみ合わなかろうと思うわけだが、しかし議論の整理の…

専門型裁量労働制が適用できない大学教授

労働時間制度をめぐる議論はいまだに混迷しているようですが、それでもなんとか高度プロフェッショナル労働制の新設や裁量労働制の拡大をふくむ労働基準法改正法案もまとまり、まあ一歩前進と言うところでしょうか。もちろん国会審議はこれからなのでいつ成…

働き方改革の視点

きのうもちょっと書きましたが先週から今週にかけて日経新聞「経済教室」に八代尚宏先生、濱口桂一郎先生、阿部正浩先生という豪華メンバーが登場され、上中下の3回にわたって「働き方改革の視点」ということで論じられました。たいへん注目すべき論点が多数…

年次有給休暇、5日取得を使用者に義務付け

今回の労働条件分科会では「新しい労働時間制度」のほかにも多様な論点が検討されており、その中に年次有給休暇の一部について労働者に取得させることを使用者の義務にしようという話がありました。その日数をどうするかについては、前回取り上げた際(http:…

40歳定年説が相変わらずダメだった件

…というのは、先週になりますが日経の「働きかた」特集のインタビューで柳川先生がまたしても40歳定年説を繰り出しておられたからでした。1月29日の朝刊から。 ――40歳定年制を唱える理由は何でしょうか。 「75歳まで長く働けるようにするためだ。20歳…

解雇補償の「適正額」

昨日(1月19日)の日経経済教室「エコノミクストレンド」に、慶応大学の鶴光太郎教授が登場しておられました。お題は「解雇補償「適正額」どう探る」で、解雇の金銭解決の話です。 2015年の安倍晋三政権の雇用制度改革で焦点になりそうなのが、雇用終了…

労働条件分科会の報告書案

信州で山籠もりをしておりました。さてこの間16日には労働条件分科会が開催されて「今後の労働時間法制等の在り方について(報告書骨子案)」が資料として提示されたようです(これからも労使での議論があるでしょうからこのとおりまとまるかどうかはわかり…

日経社説「雇用慣行破り柔軟な働き方を競え」

日経新聞は新年から社説でも「民が拓くニッポン」というシリーズ企画を展開していましたが、働きかた特集が最終日を迎えた1月11日、合わせたのかどうかはわかりませんが、「民が拓くニッポン」シリーズの最終回として表記「雇用慣行破り柔軟な働き方を競え」…

ホワイトカラー・エグゼンプションの制度案まとまる

さて日経の「働きかた」特集につきあっている間にもさまざまなことが起きており、それがまたすべて日経絡みというのがなんと言いますか。まずは1月8日の朝刊1面を飾ったこの記事です。 …厚生労働省は7日、働く時間ではなく成果で賃金を払う「ホワイトカラー…

働きかたNext(9)

だいぶ終わりに近づいてきた(笑)。記事の内容のほうはますます薄味になってきております。この日のお題は「真の「人財開国」を―外国人阻む壁を砕く。」というものですが、まあ日本は専門技術や知識を持つ外国人には働きにくいという話です。 「専門技術や…

思い込みと余計なお世話

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。 さて日経新聞が年初から「働きかたNext」という特集を組んで労働問題を精力的に取り上げています。なかなか興味深い記事もあり面白いところは追々感想なども書いていきたいと思いま…

労基署がやってくる!(3)

そろそろ次号も出る時期ではないかと思いますが、週刊ダイヤモンドの労基署特集、あと少しだけ残っていますのでもう一回だけ。週刊ダイヤモンド 2014年 12/20号 [雑誌]出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2014/12/15メディア: 雑誌この商品を含むブログ…

労基署がやってくる!(2)

前回の続きで週刊ダイヤモンドの特集「労基署がやってくる!」の感想の続きです。週刊ダイヤモンド 2014年 12/20号 [雑誌]出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2014/12/15メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見るPart2の途中まできていますが、…

労基署がやってくる!

「週刊ダイヤモンド」の今週号、おなじみの黄色の表紙に大書された第1特集はなんと「労基署がやってくる!」。週刊ダイヤモンド 2014年 12/20号 [雑誌]出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2014/12/15メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見ると…

経済同友会の労働政策提言

経済同友会が発表した「「攻め」の労働政策へ5つの大転換を−労働政策の見直しに関する提言」という政策提言が私のTwitterのタイムラインを賑わせていたので読んでみました。なるほど興味深いものでした。 http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles…

アベノミクスの評価

報道によれば消費増税延期、解散総選挙ということになったそうで、争点のひとつはアベノミクスの評価なのだとか。多様な観点からの評価があるでしょうが、ここでは私の関心事項である労働政策について簡単にレビューしてみたいと思います。 まず結果としての…

賃金払わず出頭にも応じない派遣会社女性社長

…という見出しの小さな記事を備忘的に。YOMIURI ONLINEから。 北九州西労働基準監督署は1日、北九州市八幡東区勝山1の派遣会社「キャルコーポレーション」社長の女性(50)と、法人としての同社を最低賃金法違反と労働基準法違反の疑いで福岡地検小倉支…

成長戦略の中の労働政策

今朝のNHKニュースに岩村正彦先生のお姿があり、おやと思ったのですが労働政策審議会労働条件分科会が再開したという話でした。きのうは産業競争力会議も開かれ、例の「日本再興戦略」改定の素案が示されていますし、労働条件分科会にも競争力会議や経済財政…

雇用改革の視点by安藤至大先生

一昨日に続いて、もう1週間前の掲載になってしまいましたが、日経新聞「経済教室」の「雇用改革の視点」2回め、安藤至大先生の「労働時間に上限の設定を」をご紹介したいと思います。大内先生は解雇規制も論じておられましたが、安藤先生はもっぱら労働時間…

雇用改革の視点by大内伸哉先生

さて山籠もりしている間に日経新聞の経済教室で「雇用改革の視点」という2回企画が掲載されておりました。6月5日付朝刊では、神戸大学の大内伸哉先生が登場して「経済変化踏まえ見直しを」と訴えておられます。 まず、現状の議論の混乱、かみあわなさについ…

どっちもどっち

しばらくの間伊豆と信州で山籠もりをしておりました(謎)。大雨には弱った。 さてこの間も世間ではいろいろなことが起きているわけですが、なんかいわゆる「残業代ゼロ」が国会審議でもとりあげられていて民主党の山井和則衆院議員のツイッターが大変に話題…

混乱続く日経の議論

同じネタの繰り返しで恐縮ですが、本日の日経新聞の社説が労働時間制度を論じていますので取り上げたいと思います。お題は「労働時間改革で成果重視へカジを」となっていて、通常2タイトルのところ今日はこの1タイトルと力が入っています。 一応、それ以外の…

太田聰一先生

きのうまで週刊東洋経済の「雇用がゆがむ」特集をご紹介してきましたが、当該号の連載コラム「経済を見る眼」では慶応の太田聰一先生が登場され、やはり労働時間規制について論じておられます。 …日本で長時間労働やサービス残業が常態化している現状を考え…

雇用がゆがむ(2)

さてきのうに続いて週刊東洋経済の特集をご紹介したいと思います。Part1に続くPart2は非正社員となっています。 大々的に打ち出された見出しは「法改正で雇い止め 遠い正社員雇用」というもので、まず改正派遣法が取り上げられて、 …雇用安定措置は実際に機…

雇用がゆがむ(1)

週刊東洋経済5月24日号が職場の回覧で回ってきました。表紙に安倍首相の写真とともに大々的に書かれた特集名は「雇用がゆがむ 官制ベア 残業代ゼロ 解雇解禁の点と線」。なかなか力の入った特集のようですが、その「Part1 正社員」ではこのブログでもその不…

ホリエモン、ブラック企業を語る

「キャリアデザインマガジン」がお世話になっているメールマガジン配信サイトの「まぐまぐ!」(http://www.mag2.com)のメルマガ「お悩み解決メールマガジンなるほどまぐR!」で、ホリエモンこと堀江貴文氏がブラック企業に関する質問に回答しておられまし…