日本労働研究雑誌11月号

 (独)労働政策研究・研修機構様から、『日本労働研究雑誌』11月号をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 11月号は例年どおり「ディアローグ労働判例この1年の争点」で、日本通運事件、名古屋自動車学校事件、経産省事件をはじめ、この1年間に注目を集めた重要判例について対談形式で検討しています。今回はお二方とも初登場の富永晃一先生と神吉知郁子先生で、ぐっと若返った感があります。特集は公募特集で採択された寺田岳先生の論文が1本、他にも投稿論文が2本掲載されています。

ビジネスガイド12月号

 (株)日本法令様から、『ビジネスガイド』12月号(通巻940号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 今号の特集は「若年者採用の手法と実践」「職場のいじめ・嫌がらせ聞き取り調査のポイント」「勤務時間外の顧客・取引先対応のリスクと社内ルールの定め方」の3本で、なるほどどれも現場の人事担当者が今まさに苦心しているであろうテーマが取り上げられています。大内伸哉先生のロングラン連載「キーワードからみた労働法」は今号は「懲戒解雇と退職金」で、懲戒解雇時における退職金不支給をめぐる法的論点が詳細に解説されています。八代尚宏先生の連載「経済学で考える人事労務社会保険」は「高額な認知症薬の保険収載の問題点」を取り上げ、技術進歩で高額医療品が増加する中、混合診療の拡大や民間保険などによる対応などを提案しておられます。

金井勇人『伝わる文章の裏ワザ・表ワザ』

 (一社)経団連事業サービスの大下正さんから、経団連出版の最近刊、金井勇人『伝わる文章の裏ワザ・表ワザ』をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 実は私は企業内スピーチライターという一面も持ち合わせており、頼まれるままに多種多様な文章を作成しているのですが、確かにいろいろと心がけていることというのはあり、本書でも類似の指摘があると少しうれしく(笑)、また、意識してなかったけど言われてみればそうしてるなという指摘もあり、まあ実践的なノウハウを体系化・形式化するとこうなるのかと非常に勉強になる部分の多い本でした。
(と、ここまで1本の長い文になっていて悪文の見本みたいですな(笑))

日本労働研究雑誌8月号

 (独)労働政策研究・研修機構様から、『日本労働研究雑誌』8月号(通巻757号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 今号の特集は「入職前後の労働関係ー試用・徒弟」というものですが、試用・徒弟に限らず入職前後の人材育成や人事管理などに関する幅広い分野の論文が集められています。特に創価大の大場先生の論文は私自身も実務としてさまざまな側面から関わりを持ってきた(事例として多々ご紹介いただいており感謝です)養成工制度に関するもので、非常に有り難く拝読しました。

ビジネスガイド9月号

 (株)日本法令様から、『ビジネスガイド』9月号(通巻937号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 今号の特集は3本で、「改正労基則等対応」「労働審判・裁判上の和解解決金額の実態と決定ポイント」「ハラスメントグレーゾーン事案」となっています。今回の労基則改正は絶対的明示事項が追加されたので人事担当者は対応必須なのですね。ハラスメントについても実務家の最も悩ましい問題の一つであり関心の高さが伺われます。
 八代尚宏先生の連載「経済学で考える人事労務社会保険」は先般発表された新しい将来人口推計を取り上げ、その問題点と、来年予定されている年金財政検証に向けての課題などが論じられています。大内伸哉先生のロングラン連載「キーワードからみた労働法」は今回はいつもの位置に戻り、先般の「三位一体の労働市場改革」でも優遇税制見直しやモデル就業規則の変更などが示された「退職金」が取り上げられ、企業の人事管理・賃金制度に行政が介入することへの疑問を表明されつつ、実態としては行政による退職金制度の禁止に近い性格があると指摘され、今後の動向について考察されています。

濱口桂一郎『家政婦の歴史』

 JILPTの濱口桂一郎先生から、最近著『家政婦の歴史』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

 女中とか家政婦とかいうのは大半の日本人にとってはフィクションの中でしか目にすることのない「関係ない」存在であるわけですが、そんな彼女たちの知られざる歴史と実態が描き出された本です、というとなにやら怪しげな気配もただようわけですが(笑)、基本的には家事労働者供給事業の法制史の本です。とはいえ小説や論評、事件などその時々の風俗もふんだんに盛り込まれており、背景としての(建設労働者や沖中仕といった)労働者供給事業の悪弊なども描かれていて読み物としても興味深く、私のような労働政策周りの人間にはまるで歴史ミステリーのような面白い本で、実際ほぼ一気読みしてしまいました。しかしまあまったくの善意に立脚した法規制が想定外の弊害をもたらすという図式は近年も繰り返されていて派遣労働というのはそういうものなのかもしれません。
 なお私は本書で主役級の扱いで出てくる大和俊子という起業家にたいへん興味をひかれたのですがざっと調べた限りでは伝記とかの資料はないのね。ちょっと今夜聞いてみるかな(謎)

産政研フォーラム夏号

 (公財)中部産業・労働政策研究会様から、『産政研フォーラム』夏号(通巻138号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
www.sanseiken.or.jp
 今号の特集は「リモート時代の組織開発のあり方」となっていますが立命大の高橋潔先生の論文はリモートとはあまり関係がなく、まあこれからの、という意味ではまあリモート時代ということでしょうか。一橋大の加藤俊彦先生の論文はまさにリモートワーク下でのコミュニケ―ションに関する調査結果が紹介されていて興味深いものがあります。本誌呼び物の連載、大竹文雄先生の「社会を見る眼」は「伝え方で変わる」と題して多元的無知とその解消について述べておられます。