2016-01-01から1年間の記事一覧

電通第二事件

読者の方から電通過労自殺事件についてお問い合わせをいただいたので少し書こうと思います。もっとも私はこの事件そのものについてはほとんど情報を持ち合わせておらず、具体的なことは言えませんので、常見陽平さんがブログでこの事件を取り上げて日本の人…

潜在成長率と雇用の流動性

昨日(10月17日)の日経新聞朝刊に面白い記事が掲載されていましたのでご紹介したいと思います。毎週月曜日に連載されている「エコノフォーカス」というコラムで、今回は「転職しやすさ、賃上げを刺激 勤続短い国は潜在成長率高め」という見出しが打たれてお…

平成28年版労働経済白書

厚生労働省の安達佳弘さんから、『平成28年版労働経済の分析(厚生労働白書)』をお送りいただきました。ありがとうございます。厚生労働省のウェブサイトから全文がお読みになれます。装丁・印刷されて書店に並ぶのはまだなのかな。 http://www.mhlw.go.jp/…

関島康雄『キャリア戦略』

経団連事業サービスの讃井暢子さんから、関島康雄『キャリア戦略−プロ人材に自分で育つ法 組織内一人親方のすすめ』をお送りいただきました。いつもありがとうございます。キャリア戦略-プロ人材に自分で育つ法 組織内一人親方のすすめ作者: 関島康雄出版社/…

武石恵美子『キャリア開発論』

武石恵美子先生から、最新著『キャリア開発論−自律性と多様性に向き合う』をご恵投いただきました。ありがとうございます。キャリア開発論作者: 武石恵美子出版社/メーカー: 中央経済社発売日: 2016/09/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る…

鶴光太郎『人材覚醒経済』

鶴光太郎先生から、最新著『人材覚醒経済』をご恵投いただきました。ありがとうございます。人材覚醒経済作者: 鶴光太郎出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2016/09/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る鶴先生の主にRIETIでの研究…

日経につけるクスリ

ということで昨日めでたく第1回の働き方改革実現会議が開催されたようでさっそく資料などもウェブ上に掲載されておりますが、まあ見るかぎり人数も多かったようですし各自言いたいことをひとことずつ発言したというところでしょうか。最後に首相から総括の発…

「働き方改革」の先にあるもの

聞くところによるとなにやら各地で講演して「間もなく非正規にも昇給や賞与・退職金の支給が必要になりますから経営者のみなさんはきちんと準備しておくように」と説いて回っている労働法学者というのがいるらしく困ったものだ。この前の土曜日にはNHKの「ニ…

働き方改革どこへ行く?

いまや政権の目玉政策となった感のある「働き方改革」ですが、先週金曜日(2日)には「働き方改革実現推進室」が内閣官房で発足し、中旬には「働き方改革推進会議」というのもスタートする予定とのことです。報道によれば、1億総活躍プランで示された「同一…

(おまけ)秀岳館高吹奏楽部

上のエントリを書いていて見つけたネタです。かなり旧聞ですが、秀岳館高校の吹奏楽部が甲子園応援を優先してコンテスト出場を断念したというニュースが話題になりました。 甲子園のスタンドでもう一つの夏が燃焼した。16日の全国高校野球選手権大会で、秀…

高校野球の話

この夏はオリンピックイヤーということでスポーツが例年になく盛り上がりを見せているように思います。とりわけリオデジャネイロ五輪では日本代表団がかつてない好成績をあげたということでまことにご同慶です。 さてそうした中で全国高校野球選手権大会、い…

派遣社員の待遇改善進む

今朝の日経から。上で最低賃金引き上げの話を書きましたが、派遣の時給はそれを大幅に上回る水準で推移しているようです。時給1646円なら、1日8時間20日で月額26万円を超えますので、なかなかの待遇といえそうです。 派遣社員の時給上昇が止まらない。求人情…

最低賃金とビッグマック

先日こんなニュースが流れてきました。 http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/22/minimum-wedge-nyc_n_7853568.html 「アメリカ・ニューヨーク州のファストフード賃金委員会は7月22日、時間当たりの最低賃金を段階的に15ドル(約1860円)まで引き上げるよう…

労務行政研究所編『これからのキャリア開発支援』

労務行政の石川了さんから、労務行政研究所編『これからのキャリア開発支援−企業の育成力を高める制度設計の実務』をお送りいただきました。ありがとうございます。これからのキャリア開発支援 企業の育成力を高める制度設計の実務 (労政時報選書)作者: 労務…

経団連産業技術本部『職務発明制度Q&A』

経団連事業サービスの讃井暢子さんから、経団連出版の最新書、経団連産業技術本部編著、片山英二・服部誠監修『職務発明制度Q&A−平成27年改正特許法・ガイドライン実務対応ポイント』をお送りいただきました。ありがとうございます。職務発明制度Q&A-平成27…

最低賃金引き上げの是非

昨日、本日の2日にわたり、日経新聞の「経済教室」で表題の特集が組まれました。登場されたのは昨日が日本女子大の原ひろみ先生、本日が拓殖大学の佐藤一磨先生です。 原先生の見出しは「職場外訓練、明らかに減少、技能形成機会の格差拡大」というものです…

Brexitとキャリアデザイン

金曜日にキャリアデザイン学会の研究会でゲンダ先生にこのお題で一本書けと言われたので書こうと思います。そういう次第でまったくの雑文になりますのでそのようにお願いします(他のエントリもそうだろうと言われれば否定はしませんがいつも以上にというこ…

2016年労働政策研究会議

さる18日に開催された日本労使関係研究協会の2016年労働政策研究会議に参加してまいりましたので概要と感想など書きたいと思います。例によって午前中は自由論題、午後は総会とパネルディスカッションというタイムテーブルで、午前中は2分科会6論題の報告が…

同一労働同一賃金フォロー(2)

第4回検討会に提出されたワークス研究所の中村天江氏の資料を紹介したいと言って数日別の話をしていたところ第5回の資料も公表されていた件(笑)。ここにありますhttp://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000127426.html。 第5回ではUAゼンセン同盟(誰がプレゼ…

同一労働同一賃金ガイドライン

ほほお来ましたか。 同じ仕事なら非正規労働者にも正規労働者と同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」の実現に向け、「不当な賃金格差」の事例を示すために政府が年内にもまとめるガイドラインの概要が判明した。通勤手当や病気による休業、社内食堂の利用な…

先祖がえり

昨日(6月12日)の日経新聞の連載コラム「中外時評」に同紙論説副委員長の水野裕司氏が登場され、「正社員改革こそ本道 「一億総活躍」めざすなら」と題して所論を展開しておられますのでご紹介したいと思います。「中外時評」は毎週日曜日に論説委員の持ち…

山極清子『女性活躍の推進』

経団連事業サービスの讃井暢子さんから、経団連出版の最新刊、山極清子『女性活躍の推進−資生堂が実践するダイバーシティ経営と働き方改革』を頂戴しました。いつもありがとうございます。女性活躍の推進―資生堂が実践するダイバーシティ経営と働き方改革作…

同一労働同一賃金検討会フォロー

先日もご紹介しましたが、一億総活躍プランにおける同一労働同一賃金に関する記述はやたら威勢だけはいいものの内容的にはまずまず現実的なところに落ち着いていて、報道などを見る範囲では世間の関心も低下しているようにも思える訳ですが、この間政府の検…

稲葉振一郎『不平等との闘い』書評

「キャリアデザインマガジン」に掲載する書評を書きましたので、フライングですがこちらにも転載しておきます。不平等との闘い ルソーからピケティまで ((文春新書))作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/05/20メディア: 新書この商品を含…

不審な判決フォロー

いやはや八代先生には「これこそシルバー民主主義」と断罪されそうなネタではありますが(笑)、5月19日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20160516#p1)で取り上げた定年後再雇用をめぐる地裁判決について、読者の方のご厚意で判決文を確認できま…

八代尚宏『シルバー民主主義』

八代尚宏先生から、新著『シルバー民主主義−高齢者優遇をどう克服するか』をご恵投いただきました。ありがとうございます。シルバー民主主義 - 高齢者優遇をどう克服するか (中公新書)作者: 八代尚宏出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2016/05/18メディ…

ワークス研究所「新しい調査と働き方指標に関するシンポジウム」

ワークス研究所の戸田淳仁さんにご招待をいただき、昨日開催された同所主催の標題のシンポジウムを聴講してまいりました。テーマは「全国就業実態パネル調査(JPSED)で日本の就業を評価する−働き方の可視化と労働政策への展開可能性」というもので、ワーク…

たぶん現場の実態は「同一労働同一賃金」とはほど遠い

日経新聞が毎月曜朝刊で連載しているコラム「経営の視点」で、今日は編集委員の塩田宏之氏が「同一労働同一賃金への道――多様な人材生かす制度に」という記事を書いておられます。その中で、「同一労働同一賃金への道」の一例だということだと思いますが、シ…

一億総活躍プラン

ということでこの間「一億総活躍プラン」と「骨太の方針」が提示されたということで、各メディアが一斉に報じておりますな。 政府は18日まとめた「ニッポン一億総活躍プラン」と経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の素案で「名目国内総生産(GDP)600…

(続き)残業が減らないのは家に帰りたくないから!?

このところまたあれこれ起きていますので、とりあえず大急ぎで仕掛中案件をかたづけてしまいたいと思います。ということで「日経ビジネス」5月16日号所載の標記記事のご紹介と感想、前回の続きです。日本人が家に帰りたくない理由のその2ですが…。 日本人が…