雇用政策

あえて非正規

週末の日経新聞に掲載された「「あえて非正規」若者で拡大 処遇など新たな設計必要」という記事が一部で話題になっているようで、若干気になるところもありましたので書いてみたいと思います。いわく。 非正規の働き方をあえて選ぶ人が増えている。25~34歳の…

解雇保険?

今年はグローバルに金融政策の大きな転換があるだろうとのことで、わが国でも日銀の動向が注目を集めています。これを背景に、金利上昇にともなう倒産増に備えた政策が必要であると日経電子版の記事が訴えています。お題は「「金利ある世界」が迫る労働改革 …

OECD、日本に定年制廃止提言

一昨日(11日)OECDが、本年版のEconomic Survey of Japanを発表したということで、昨日の日経新聞が記事にしています。見出しは表題の「OECD、日本に定年制廃止提言」と「働き手確保へ女性活躍を」となっておりますな。 …定年の廃止や就労控えを招く税制の…

三位一体の労働市場改革

さる5月16日に開催された第18回新しい資本主義実現会議で、「三位一体の労働市場改革の指針」が決定されました。以下になります。 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/roudousijou.pdf 昨年10月に公表された「「新しい資本主義のグ…

転職阻む控除

本日の日経新聞朝刊5面に「連合「賃上げ5%程度」春季労使交渉、物価高ふまえ方針」という記事が掲載されていてほほおと思ったのですが、その下に小さくこんな記事がありました。見出しは「転職阻む控除見直し 政府税調、所得税を議論」となっていて、退職金…

ジョブ型普及は労働市場の改革と一体で??

日経新聞さんが社説でジョブ型をプッシュしておりますな。お題は「ジョブ型普及は労働市場の改革と一体で」。さっそく読んでみましょう。 政府は企業に年功序列ではなく職務内容で賃金を決める「ジョブ型雇用」への移行を促す方針を表明した。2023年6月まで…

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項

10月4日に開催された「新しい資本主義実現会議」で、10月末にまとめる総合経済対策にむけた重点施策の取りまとめが行われたようです。 政府は4日、「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)を開き、10月末にまとめる総合経済対策にむけた重点施策を…

“中流危機”を越えて第2回(2)

昨日の続きで、日曜日に放送されたNHKスペシャルの感想です。大事な話は最後のほうにありますのでそのようにお願いします(笑)。 オランダのパートタイム勤務について、番組では警察官のシングルマザーとIT企業およびそこに勤務する夫と教員の妻の家庭の事…

“中流危機”を越えて第2回(1)

第1回が思いのほか(失礼)面白かったので第2回も視聴してみました。今回は「賃金アップの処方せん」とのことで(https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2022092525671)、いわく「賃金アップに繋がる成長産業を生むため、社員の学び直し“リスキリング”に挑む日本…

NHKスペシャル“中流危機”を越えて第1回

ということで見逃し配信を視聴しましたよ。9月18日に放送された表題の番組です。まずもって申し上げますと想像以上にいい内容の番組で、時間の無駄になりそうだとか書いてNHKに謝らないといかん。まことに申し訳ございませんでした(←見てないと思うけど)。…

企業組織の変革に関する研究会報告

たまには読書タグ以外のエントリも書かないとということで、もう3週間前になりますが8月10日に公表された掲題の報告書をご紹介したいと思います。タイトルは「プライム市場時代の新しい企業組織の創出に向けて~生え抜き主義からダイバーシティ登用主義への…

労働市場の分極化

ツイッターで反応してみたのですが140文字連投ではやはり限界があったのでこちらで考えてみたいと思います。先週金曜日(7日)に開催された第35回未来投資会議の資料が官邸のウェブサイトで公開されているのですが、その中にこんな一節があります。 6.大学…

中途採用率の公表義務化

週末の読売新聞に「中途採用率の公表義務化 大企業に 新卒一括転換促す」という記事が1面トップで大々的に報じられていました。 政府は、従業員301人以上の大企業に対し、中途採用と経験者採用が占める比率の公表を義務付ける方針を固めた。新卒一括採用の転…

経済同友会代表幹事、終身雇用と新卒一括採用を語る

経団連会長があれこれ放言問題提起して以来、いわゆる「終身雇用」なるものに関する議論がかまびすしいわけですが、有意義な論調も見られるのに対して、率直に申し上げてストライクゾーンを外れたところでバットを振り回しておおいに空振っている人というの…

城繁幸氏の就職氷河期論

一昨日久々に長めのエントリを書いたところ読者の方からネタ提供をいただいたので書きたいと思います。いや城繁幸氏なんですが、就職氷河期世代についての総括(就職氷河期世代とはなんだったのか)がウェブに掲載されているとのことでしたので読んでみまし…

低価格依存症

なんか毎回同じ話を繰り返しているような気はするのですが、昨日の日経新聞朝刊にこんな記事が掲載されていました。物流業界の働き方改革にともなうコストアップが価格転嫁されつつあるという話です。 …アイス、ヨーグルト、冷凍食品――。今春に相次ぐ食品値…

労働新聞「リレー方式紙上討論 解雇無効時の金銭救済」(2)

連載第2回が掲載されております。記事タイトルにもありますが、主な趣旨は事前型の金銭解決(連合などのいわゆる「手切れ金解雇」)を排除しつつ、使用者の申し立てによる金銭解決を可能とするにはどうしたらいいか、を考えています。 www.rodo.co.jp

労働新聞「リレー方式紙上討論 解雇無効時の金銭救済」(1)

例によって中央大学の肩書になりますが、業界紙『労働新聞』で標記の連載が開始しております。鶴光太郎先生、諏訪康雄先生、倉重広太朗先生という錚々たるラインアップからバトンを受ける形ではなはだ荷が重いのですが、まあこんなことを言うのはこいつくら…

あなたがダイバーシティを語らないでください。

毎週月曜日の日経新聞朝刊の女性欄に、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏が「ダイバーシティ進化論」というコラムを連載しておられます。本日のお題は「経団連の就活ルール廃止 僕が賛成する理由」というのですが…。 経団連は2021年卒から、大学生らの…

70歳就業と中途採用

昨日、政府の未来投資会議が開かれ、会議に提出された論点メモという資料によると「70歳までの就業機会確保の進め方」「中途採用促進の進め方」「疾病・介護予防の進め方」の3つの論点が取り上げられたようです。さすがに連合の神津会長(と労政審の樋口会長…

公務部門における障害者雇用

これも意見照会を頂戴していた案件ですが事実関係がはっきりしないところが多くコメントしにくいなあと思っておりましたが、今般第三者検証委員会の報告書が発表され、厚生労働省のウェブサイトにも掲載されています(国の行政機関における障害者雇用に係る…

育休延長目的の「落選狙い」

今日(10月18日)の日経新聞朝刊に面白い記事が掲載されていましたので備忘的に。 育児休業を延長したい人が「落選狙い」で保育所の利用を申し込む事例が目立っている。育休の延長には保育所に子供を預けられないことを証明する落選通知が必要だからだ。保育…

「設備投資か外国人か」フォロー

読者の方から、10月9日のエントリ「現実は「設備投資か外国人か」ではないのでは?」でご紹介した自動調理機「ロボシェフ」が、なんと同じ日(10月9日)のNHKの朝のニュース「おはよう日本」で報じられていたとの情報をいただきました。ありがとうござい…

現実は「設備投資か外国人か」ではないのでは?

週末の日経新聞にこんな記事が掲載されました。 吉野家ホールディングスが5日発表した2018年3~8月期連結決算は最終損益が8億5000万円の赤字(前年同期は13億円弱の黒字)になった。主力の牛丼店「吉野家」は増収を確保したが、人手不足を背景にした人件費高…

毎月勤労統計調査

お訊ねをいただきましたので簡単にコメントしたいと思います。もちろん統計については素人で詳細に論じることはできませんのでそのようにお願いします。 さてこれに関しては先月西日本新聞が「ローテーション・サンプリングに変更したら賃金上昇率が高くなっ…

ベトナム人介護労働者受け入れへ

続いてはこれかな。だいぶ旧聞ですが、 政府はベトナム政府と同国からの介護人材の受け入れ拡大で合意した。政府は1年以内に3000人、2020年夏までに1万人の数値目標を設け、ベトナム側もこれに協力する。期限と受け入れ数を掲げ、環境整備を急ぐ。介護分野…

外国人労働者の新在留資格

これについても意見照会をいただきましたので書きたいと思います。骨太の方針に織り込まれたのをふまえて検討組織を設置するという流れになっているようですね。 菅義偉官房長官は11日の記者会見で、外国人労働者の受け入れ拡大をめぐり、必要な法整備などを…

濱口・中村対談

もうひとつ、これはお名前を出してもいいと思いますが、先日溝上憲文さんと呑んだときにこの対談記事を書かれたとご紹介いただき、非常に面白いのでぜひ読んでくださいと推薦されて、では読んで感想を書きましょうと約束しました、という経緯で以下書きたい…

いよいよ無期転換

この件についても意見照会をいただいておりました。ご回答を約束したわけではないのですが、ここで整理しておくのも有意義と思うので書いてみたいと思います。業界の一部ではかねてから2018年問題といわれていた「有期労働契約反復更新5年超で無期転換」ルー…

日本人に40歳定年の選択肢をby日経ビジネスオンライン

こちらは2月9日の記事なので上の記事ほど時間は経っていませんがしかしもう1か月経っており、やはりはなはだ旧聞なのですが約束は果たすということで、日経ビジネス記者の武田健太郎氏の手になる柳川範之先生のインタビュー記事です。 日本人に40歳定年の選…