2016-01-01から1年間の記事一覧

残業が減らないのは家に帰りたくないから!?

職場の回覧で「日経ビジネス」5月16日号が回ってきたのですが、その中に標題のような記事がありました。フルタイトルは「スペシャルリポート−昭和から続く「悪しき伝統」の真実 残業が減らないのは家に帰りたくないから」となっておりますな。 日経新聞のサ…

パート賃金格差、何が問題かby鶴光太郎先生

不審な判決があったので1日ずつタマツキになっておりますが(笑)、昨日の日経新聞「経済教室」に慶応の鶴光太郎先生が登場され、パート賃金格差について非常に有益な論考を寄せられていますのでご紹介したいと思います。 「エコノミクス・トレンド」という…

長時間労働「是正」できるか

不審な判決にかまけて1日遅れましたが、先週金曜日と昨日、日経新聞の「経済教室」に長時間労働に関する論考が続けて掲載されたので取り上げたいと思います。まあ正直繰り返し書いているように多分に徒労感のただよう議論ではあるのですが、しかし論点も徐々…

トラック運転手「同じ仕事で定年後賃金差違法」

久々の労働法タグ。いや私もそろそろ定年が視界に入ってきているのでそのようにしていただけるならけっこうな話ではあるのですが(笑)、記事を見たときにこういう展開になるだろうと思ったところ案の定ご意見照会をいくつか頂戴しておりますので書きます。…

労働政策研究・研修機構資料

(独)労働政策研究・研修機構(JILPT)様から、以下の資料をお送りいただきました。いつもありがとうございます。例によっていずれもJILPTのウェブサイトで閲覧することができます。 【JILPT調査シリーズ】 No.126「ものづくり企業の新事業展開と人材育成に…

経営資源としての労使関係と従業員代表制

昨日、NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンター2016年第2回派遣・請負問題勉強会が開催されましたので聴講してきました。今年度はhamachan先生が全体プロデュースをされているらしく、先生のブログでもさっそく紹介されていますね(http://eulab…

勤務時間インターバル制度に助成金

一億総活躍社会に向けた施策のひとつとして、厚生労働省は長時間労働の抑制につなげるべく勤務時間インターバル制度を導入した企業に助成金を支給する方針とのことです。5月4日の日経新聞から。 厚生労働省は従業員がオフィスを退社してから翌日に出社するま…

平居暉士『企業経営を学ぶ』

経団連事業サービスの讃井暢子さんからもう一冊、やはり経団連出版から刊行された平居暉士『企業経営を学ぶ−組織運営の王道と新たな価値の創造』をお送りいただきました。ありがとうございます。著者は島津製作所の関連会社の社長からコンサルタントに転じら…

21世紀政策研究所・経団連経済基盤本部編『BEPS Q&A』

経団連事業サービスの讃井暢子さんから、経団連出版から刊行された21世紀政策研究所・経団連経済基盤本部編『BEPS Q&A 新しい国際課税の潮流と企業に求められる対応』をお送りいただきました。ありがとうございます。BEPS Q&A?新しい国際課税の潮流と企業…

振り上げたこぶしは上手に下ろしましょう。

振り上げたからって絶対殴らなくちゃいけないってわけでもねえんだからな。いや同一労働同一賃金の話なんですが。 というのも、きのう例の「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」の議事録が厚生労働省のサイトにアップされているのを発見して、まあいろい…

非正規に昇給制度

昨日の続きのような展開になりますが、翌日の9日にはこんな話も報じられたわけです。読売新聞から。 自民党は8日、正規・非正規の雇用形態の違いだけを理由とした賃金格差をなくす「同一労働同一賃金」の実現に向け、政府に提出する中間提言案をまとめた。日…

安藤至大先生の同一労働同一賃金解説

先週金曜日の日経新聞「経済教室」に、日大の安藤至大先生の論考が掲載されました。お題は「賃金格差を考える(上)「同一賃金」比較対象難しく 職務給に限定が妥当」となっており、(上)というからには少なくとも(下)はあるだろうということで今日の朝刊を…

大内伸哉先生の同一労働同一賃金批判

大内伸哉先生が、先生のブログ「アモーレと労働法」で同一労働同一賃金について論評しておられました。 …職務給制度の設計のためには,職務に関する横断的労働市場が成立することが必要でしょうが,それを政府がやるべきなのでしょうか。賃金は労使の交渉で…

水町勇一郎『労働法』第6版

社研の水町勇一郎先生から、『労働法』第6版をご恵投いただきました。ありがとうございます。労働法 第6版作者: 水町勇一郎出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2016/03/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る学びやすいテキスト…

第6回一億総活躍国民会議(続)

すこし間が空いてしまいましたが3月25日に開催された第6回一億総活躍国民会議の提出資料を見ていきたいと思います。 話の流れでお一方飛んでしまいましたが日商の三村明夫会頭からも資料が提出されています(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusouka…

第6回一億総活躍国民会議

さて昨日に続いて先週金曜日に開催された第6回一億総活躍国民会議の資料を見ていきたいと思います。今回の議題は「長時間労働是正、女性の就業促進、子供の教育問題について」の三点となっていますが、当然ながら各議員の関心にはばらつきがあります。今回も…

「混迷深まる同一労働同一賃金」フォロー

先週金曜日(25日)に第6回一億総活躍国民会議が開催されてまたしても大量の燃料が投下されましたのであれこれ書いていきたいと思います。まずは前回会合の議事要旨が公開されましたので、同一労働同一賃金を中心に前回のフォローを。議事要旨はこちらになり…

日本学術会議-RIETIシンポジウム「ダイバーシティ経営とワーク・ライフ・バランス」(続)

さて長時間労働をめぐる議論の続きですが、リクルートの石原直子氏も「女性活躍の最大の阻害要因は長時間労働体質」と指摘され、労働時間を短縮してそれを個人が選択した多様な活動にあてることで個人も成長するし組織も多様化してイノベーションに結び付く…

同一労働同一賃金の検討会がはじまりましたとか残業月80時間以上で労基署が立ち入り調査とかなにやら動きがあわただしいようですが、とりあえず昨日の続きです。

日本学術会議-RIETIシンポジウム「ダイバーシティ経営とワーク・ライフ・バランス」

昨日開催されたので参加してまいりました。この両所の共催ということで登壇者の顔ぶれはさすがの豪華さで有益な知見が多くたいへん面白く聴講しました。 http://www.rieti.go.jp/jp/events/16032201/info.html ただまあ多分に予想どおりではあったのですが有…

吾妻橋氏の保育所不足対策

山籠もり中の14日のことですがNHKラジオで参議院予算委員会を中継していたので移動の車中で運転のかたわら聞いておりました。国会会議録検索システムは現時点で3月11日までしか掲載されていないのでうろ覚えなのですが、櫻井充先生が奨学金の話のあと国際医…

賃上げの春はこれから

さてこの間恒例の春季労使交渉も進行しており昨日はいよいよ金属労協の集中回答日を迎えました。正式決着は労働サイドの機関決定を待ってということになるのでしょうが、事実上各社円満な解決がはかられたようでまずはご同慶であります(すげえ他人事モード…

信州で山籠もりをしておりました。予定外。寒いのはともかく雪が降りはじめて参ったなと思ったところ現地のレンタカーは当然のように4WD・4輪スタッドレスで助かりました。まあレンタカー代は持ち出しになったわけだが。

NIRAわたしの構想No.20「シニア世代の能力を生かせ」

総合研究開発機構(NIRA)の辻明子さんから(だと思う)、NIRAわたしの構想No.20「シニア世代の能力を生かせ」をお送りいただきました。ありがとうございます。以下で全文がお読みになれます。 http://www.nira.or.jp/pdf/vision20.pdf シニア世代の能力発揮…

混迷深まる同一労働同一賃金(続)

昨日の続きでさる2月23日に開催された第5回一億総活躍国民会議の資料を同一労働同一賃金の観点を中心にみていきたいと思います。 増田寛也議員提出資料 同一労働同一賃金関係の資料はあと3つ残っており、最初は元岩手県知事・元総務相の増田寛也議員提出資料…

混迷深まる同一労働同一賃金

前回簡単に触れた第5回一億総活躍国民会議ですが、世間の動きが速そうなので、情報が十分ではない中ではありますが水町先生および議員各位の提出資料をもとにコメントしてみたいと思います。なお誤解なきよう為念最初に申し上げておきますと以下のコメントは…

第5回一億総活躍国民会議

この23日に、先日のエントリで取り上げた同一労働同一賃金に関する一億総活躍国民会議が開催されました。社研の水町勇一郎先生をはじめ、各界の錚々たる皆様方が登場されて思い思いに言いたいことを言っているそのご見識を披露しておられまことに興味深いも…

菅野和夫『労働法第11版』

菅野和夫先生から、『労働法第11版』をご恵投いただきました。ありがとうございます。労働法 第11版 (法律学講座双書)作者: 菅野和夫出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2016/02/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る申し上げるまでもなくわが…

北九州市と大牟田市で山籠もりをしておりました。場所が場所なので三井三池鉱山の遺構も見学することができ、わが国史上最大級の労働争議の一つが闘われ、またやはりわが国史上最悪の労災事故の一つが発生した現場を訪問していろいろと思うところ感じるとこ…

同一労働同一賃金どこへ行く

さてこの間例によって若干世の中の動きについていけていないのですが、例の同一労働同一賃金議論が気になるので少しフォローしてみました。案の定というべきかどうか、なかなかすっきりとはまいらないようです。 そんな中で私がまず注目したのが、かなり旧聞…