労働法

季刊労働法鼎談「働き方改革関連法と人事管理」

労働法の専門ジャーナル「季刊労働法』の2019春号(通巻第264号)の標記鼎談に登場しております。季刊労働法 2019年 04 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 労働開発研究会発売日: 2019/03/15メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る 某所で私が水町先生をいじめ…

ジャパンビジネスラボ事件

先週の話ですが、マタハラ裁判ということで話題になった判決が出ました。日経新聞から。判決文を読んでいませんので断片的情報によるコメントになりますがご容赦ください。見当違いのことを書くだろうと思いますがご叱正願えれば幸甚です。 育児休業後に正社…

ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件最高裁判決

注目の2事件の最高裁判決が出ました。 正社員と非正規社員の待遇格差が、労働契約法が禁じる「不合理な格差」に当たるかが争われた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は1日、「不合理か否かの判断は賃金総額の比較のみではなく…

同一労働同一賃金検討会フォロー

先日もご紹介しましたが、一億総活躍プランにおける同一労働同一賃金に関する記述はやたら威勢だけはいいものの内容的にはまずまず現実的なところに落ち着いていて、報道などを見る範囲では世間の関心も低下しているようにも思える訳ですが、この間政府の検…

不審な判決フォロー

いやはや八代先生には「これこそシルバー民主主義」と断罪されそうなネタではありますが(笑)、5月19日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20160516#p1)で取り上げた定年後再雇用をめぐる地裁判決について、読者の方のご厚意で判決文を確認できま…

トラック運転手「同じ仕事で定年後賃金差違法」

久々の労働法タグ。いや私もそろそろ定年が視界に入ってきているのでそのようにしていただけるならけっこうな話ではあるのですが(笑)、記事を見たときにこういう展開になるだろうと思ったところ案の定ご意見照会をいくつか頂戴しておりますので書きます。…

マタハラ訴訟最高裁判決

マタハラについて最高裁が初判決ということで関係各方面で盛り上がりを見せているようです。本日の日経新聞から。 妊娠を理由にした降格が男女雇用機会均等法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は23日、妊…

日本航空整理解雇事件判決へのコメント

「季刊労働法」第245号が発刊されましたので、同誌244号に匿名で寄稿した裁判例へのコメントを転載します。「労使で読み解く労働判例」という連載の第10回で、研究者による判例評釈があり、匿名の労使それぞれの実務家によるコメントが続くという企画です。…

大内伸哉先生の解雇ルール論

一昨日、昨日と、日経新聞の経済教室欄で最近話題の解雇ルールが取り上げられました。登場されたのは大内伸哉先生と神林龍先生という見逃せない顔ぶれです。ご紹介のうえ簡単にコメントしたいと思います。 まず一昨日登場された大内伸哉先生の論考から。日経…

「実務と学説」フォロー

10月25日のエントリで有期労働契約の無期転換について書いたところ、読者の方から名古屋大学の大屋雄裕准教授の著名なブログ(「おおやにき」http://www.axis-cafe.net/weblog/t-ohya/)でも同じ問題が取り上げられているとのお知らせを頂戴いたしました。そ…

実務と学説

ある労働研究者の方(規制緩和派ではありません)から、今般の労働契約法で有期労働5年で無期転換とされたことで大学の現場が非常に困っているというお話をうかがいました。ポスドクがいくつかの有期契約の仕事を経て大学などでパーマネントの仕事に就くとい…

芸能人の労働者性シリーズ(2)

さて昨日の続きです。タレ・スポの労働者性と育成コスト問題http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-f75b.htmlをご紹介します。 「ゆうこりんの労働者性」に楠さんがコメントされていますが、http://twitter.com/#!/masanork/status/117044…

芸能人の労働者性シリーズ(1)

上記の経緯でhamachan先生のブログを拝見したところ標題のようなシリーズのエントリを連投しておられました。 タカラジェンヌの労働者性http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-dc7b.html ゆうこりんの労働者性http://eulabourlaw.cocolog-…

労働政策を考える(26)労組法上の労働者性

「賃金事情」2067号に寄稿したエッセイを転載します。 http://www.e-sanro.net/sri/books/chinginjijyou/a_contents/a_2011_05_05_H1_P3.pdf 当初弁論が行われたので高裁判決は覆るであろうということで書いたのですが間抜けにも締切=入稿日の数日後に最高…

定年延長と希望者全員再雇用

8月22日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20110822#p1)にhamachan先生からコメントをいただいていたようで、教えてくださる方がいてようやく今日気付きました(『日本人事』の紹介エントリ(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/p…

労使関係法研究会報告

本日朝のNHK「おはよう日本」に荒木尚志先生のお姿が映り、なんだろうと思ったら労使関係法研究会の報告書案がまとまったというニュースでした。おはよう日本で取り上げるような大ニュースなんだなあと思いながら見ていたところ少し気になる表現があった…

取り締まるべきは取り締まりを

野川忍先生(@theophil21)の週末のつぶやきから。 ≫ theophil21 野川 忍 (1)刑罰や民事責任を担保としてルールを強制する「ハードロー」より、行政指導などにより自主的なルール形成を促す「ソフトロー」の役割を重視する見解が強い。しかし、労働法制の…

新国立劇場事件・INAXメンテナンス事件で逆転判決

既報のとおり、業務委託契約などによる就労の労組法上の労働者性が争われていた新国立劇場事件とINAXメンテナンス事件の最高裁判決が一昨日相次いで出され、両事件とも労組法上の労働者性を認めなかった高裁判決を覆す逆転判決となりました。実は昨日と明日…

解雇権濫用法理と高知放送事件

本日発行されたシノドスのメールマガジン「シノドスα」に、安藤至大先生が解雇規制に関する一文を寄せておられます。たいへん興味深く説得力のある議論が展開されていますので、ぜひご一読をおすすめしたいと思います(気が向いたらその続きもお読みください…

野川 vs 安藤 Blog (仮)

先日、http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20110118#p2やhttp://d.hatena.ne.jp/roumuya/20110119#p1でご紹介したツイッター上のやりとりが契機となって、労働法学者の野川忍先生と労働経済学者の安藤至大先生の対論ブログがスタートしたそうです。 http://nogaw…

労働における法と経済

さて上のエントリのもとになった佐々木先生のツイートはこれのようです。 解雇規制緩和で若者の雇用が増えるとか、転職がしやすくなるという論調があるけれど、この規制緩和は何をどう緩和するっていうのか。現行では規制にも、解雇にも、色々種類があるんだ…

「推定無罪」フォロー

10月14日のエントリに対し、コメント欄での情報提供ありがとうございました。公務員は民間とずいぶん違い、知らないことが多いなあとあらためて感じました。ということで少しフォローの記事を書かせていただきます。 まず今回の件に関しては、最高検察庁も「…

判決確定までは推定無罪

産経ニュースから。国民新党の亀井代表が、大阪地検の前田元主任検事が懲戒免職となったことに対して「推定無罪がこれまでの常識であり不適切」との見解を示したそうです。 国民新党の亀井静香代表は13日の記者会見で、法務省が大阪地検特捜部の押収資料改…

日本労働法学会誌116号

日本労働法学会誌116号が到着しました。名古屋大学での119回大会の内容が中心ですが、創立60周年記念の企画として代表幹事経験者のエッセイが掲載されています。いずれもなかなか面白かったのですが、全体を通じてまあ労働法学者だから当然といえば当然です…

「専門26業務」なんて粗雑な言い方

10月1日のエントリに関してhamachan先生からお呼びがかかったようです。私にしては反応が早いわけですがこれは通報してくれた方がいらっしゃったからで、なにを通報してくれたかというとこういうことなんですね。 これを別の観点から論じているのが、ご存じ…

解雇規制の見直し

26日のエントリで「「解雇規制の見直し、消費税の引き上げ、法人税の引き下げ」という結論の項目だけをみれば私とだってそれほど大きく違うということもない」と書いたところ、思いがけない反応が複数寄せられました。なにかといえば、大意で「貴様は解雇権…

「首都大准教授、諭旨解雇に」フォロー

しばらくぶりにhamachan先生のブログを読んでいたところ、私のブログの「態度が悪いからクビ!」がたくさんブックマークされていると書いてありましたのでさっそく見てみたところ「首都大准教授、諭旨解雇に」がもっと多くて驚いた件(笑)。 で、実はhamach…

首都大准教授、諭旨解雇に

世間を騒がせた首都大学東京の学生による「ドブスを守る会」騒動ですが、とうとう指導教官が諭旨解雇されてしまったそうです。 Yomiuri Onlineによれば、 首都大学東京(東京都日野市)の学生が「ドブス写真集を作る」などと言って女性に無断で動画を撮影し…

出張の移動時間は労働時間か

asahi.comから。前週月曜日の記事です。 大阪府内の男性会社員(当時37)の遺族が起こした過労死認定訴訟で、被告の国が生前の男性の業務用パソコンの閲覧履歴を調べ、「出張先でアダルトサイトを見ていた」とする書面とサイトの画像を証拠として大阪地裁…

日本労働法学会第119回大会

地元・名古屋大学での開催ということもあり、参加してまいりました。春秋2回開催されるにもかかわらず、2007年秋の115回大会以来のごぶさたとなっておりました。 今回は「日本労働法学会創立60周年記念シンポジウム」ということで、韓・台・中の研究者が登…