NIRAわたしの構想No.20「シニア世代の能力を生かせ」

総合研究開発機構(NIRA)の辻明子さんから(だと思う)、NIRAわたしの構想No.20「シニア世代の能力を生かせ」をお送りいただきました。ありがとうございます。以下で全文がお読みになれます。
http://www.nira.or.jp/pdf/vision20.pdf
シニア世代の能力発揮について「高齢者の実態に詳しい、老年学・認知心理学・医学・経済学の学識者に、考えを聞いた」というパンフレットで、各先生方がそれぞれの専門や知見をもとにそれぞれに発言しておられます。
幅広く、必ずしも就労に限らない話も多いのですが、たとえば「75歳ぐらいまでは普通に働ける」というかたわらで「1年に1度、大事な場面で知恵を発揮できれば、極端な話、ほかの時間は寝ていてもよいくらいだ」とまで言われてしまうとまあ力が抜けるものがあります(いやもちろんそういう場面が絶対にないと申し上げるつもりもありませんが)。まあそうしたお立場で研究をされているとどうしてもシニアの能力発揮が進まないのはもっぱら社会や企業の問題であってシニアには問題はないという感じに知らず知らずなってしまいがちなんでしょうけれど。
これはと思ったのは東京学芸大の伊藤由希子先生がNIRAの調査をもとに「日本特有の課題は、事務職・販売職の4割以上が、自分のスキルを自覚しておらず、また自分の仕事に専門知識は不要と考えている」と述べておられたところで、これは近日中に結果が公表されるそうですので注目したいと思います。このパンフレットには各先生方がおすすめの本を紹介するコーナーがあってご自身の著書を推される先生が多い(まあ当然ですが)のですが、伊藤先生は今野浩一郎『高齢社員の人事管理』を推奨しておられたのも目を引きました。伊藤先生については国際経済学者という印象があって労働関係ではお見かけしなかったように思うのですが、こちらにもご関心をお持ちなのでしょうか。