「設備投資か外国人か」フォロー

 読者の方から、10月9日のエントリ「現実は「設備投資か外国人か」ではないのでは?」でご紹介した自動調理機「ロボシェフ」が、なんと同じ日(10月9日)のNHKの朝のニュース「おはよう日本」で報じられていたとの情報をいただきました。ありがとうございます。

ベテラン料理人の味 “助っ人マシン”が再現(動画へのリンクもあります)。

 私は朝はテレ東のモーニングサテライトを見ているのでおは日は見ないのですが、ウェブで見るかぎりではその後の配膳機の話もふくめて大変わかりやすい情報提供と思いました。まあ、先日書いたようにロボシェフは遅くとも2007年に展示会に出品されていてそれほど新しいものではなく、配膳の自動化に至ってはすでに天下の加賀屋が1981年と1989年に導入している先進事例として有名)わけなのでなんか今更だなあという気もしますが、まあ外食産業が人手不足対策としてバックヤードの機械化を進めているということは世間ではあまり知られていないのかもしれません。できればユーザーだけではなくメーカーも紹介してくれるといいのになあとは思うのですがそこは時間の関係で仕方ないのでしょうか。
 それはそれとして私がおやと思ったのはロボシェフを入れているのが大阪王将だというところで、えっと大阪王将ってアレじゃなかったかしらと思って調べてみたらやっぱりそれでした。2014年9月の記事なのでもう4年以上前ですが、日経新聞のサイトにまだ記事が残っていました。

 人手不足に直面する外食各社が外国人アルバイトの活用を増やすため、教育・研修体制の拡充に乗り出した。中華料理店「大阪王将」のイートアンドは1カ月間有給で教育する制度を導入。牛丼店「すき家」のゼンショーホールディングスは外国人専用の研修施設を設けた。…
大阪王将の外国人アルバイト比率は現在15%。「都市部の直営店に限れば今後30%まで高まる」(同社)とみる。育てた外国人アルバイトは人材確保に悩むフランチャイズチェーン店や「他の飲食店にも紹介する」と文野直樹社長は話す。
…ただ、外国人アルバイトの採用を強化する企業は少数派。…
https://www.nikkei.com/article/DGKDASDZ19HHJ_Z10C14A9TJ2000/(有料ご容赦)

 まあ4年前の記事ですが現状どうかというと、FNNのウェブサイトで10月3日と4日に配信された記事(テレビ放送があったかどうかは不明)でも大阪王将の機械化の話が紹介されていました(https://www.fnn.jp/posts/00402329CXhttps://www.fnn.jp/posts/00402329CX)。大阪王将の広報がんばってるなと思うわけですがそれはそれとして、おは日でも登場した大阪王将の林淳司スーパーバイザーも登場されていて、どうやら大阪王将の外国人活用路線はさらに強化されており、そのための機械化という面もあると説明されています。

(10月3日配信)

 3日のランチタイムも大盛況だったのは、中華の人気チェーン店「大阪王将」。
 人気メニューの1つ、「チャーハン」。
 実は、普通のチャーハンとは違いが。
 ランチ客「おいしいですよ、すごい。(最新のハイテクマシンで作られたんですけど)そうなんですか。これ、鍋で料理人が作ってないの?」、「普通に手で作ってると思いました」…
…これまでは、通常5人から6人で営業していたのが、3人から4人で切り盛りすることが可能になったという。
 大阪王将スーパーバイザー・林淳司さん「都内で言いますと、だいたい8割から9割が外国人の方(スタッフ)で構成されています」
 ハイテク化により、外国人スタッフも即戦力として働いてもらえるようになった。
“職人レス”ハイテク進む 飲食店人手不足に対応

(10月4日配信)

 中華チェーン「大阪王将」で提供される、おいしそうなチャーハン。
 作ったのは、中華なべを自動で振ってくれる装置、その名も「チャーハンマシン」。
 あらかじめ味つけされた食材を鍋に投入するだけで、およそ2分でチャーハンが完成する。
 これまで、5~6人で営業していたが、マシンの導入などで3~4人で回るようになった。
 さらに、もう1つのメリットが。
 大阪王将スーパーバイザー・林淳司さんは「都内で言うと、(従業員の)8~9割が外国人で構成されてます」と話した。
 まだ日本に慣れていない外国人スタッフでも、簡単に調理することができるため、即戦力として働けるようになったという。
 ベトナム出身・勤務歴8カ月のトゥアンさんは「超簡単です。(失敗したことは?)失敗はないです。(完璧?)はい、完璧」と話した。
飲食チェーン“ハイテク化”で対応 増える外国人労働者

 でまあFNNの記事の下にはごていねいにバイトルドットコムの求人広告のバナーがあり、リンク先を見ると「We will assign a job fits you.」「More than 50% are foreigner.」などと呼びかける大阪王将志木店の求人情報などが出てきたりするわけですよ。ほらね、やっぱり現場で起きているのは「設備投資も外国人も」なんですよ。
 この先は同じ話になりますので長々とは繰り返しませんが、要するに大阪王将の餃子1人前241円(関東甲信越エリア)というのはこうやって実現しているわけです。消費者に絶対にそれしか払いたくありません値上げしたら買いませんといわれたら企業も経営者もどうしようもないということは、政策を考える際にも外してほしくないところだとは思います。