人事管理

さらば使い捨て経営(3)

ということで昨日の続きで日経ビジネスの特集「さらば使い捨て経営」のPART3をみていきたいと思います。PART3は先進事例紹介と全体のまとめにあてられているのですが、事例はとばしてまとめを見てみましょう。「「採用氷河期」が到来」という見出しが躍って…

さらば使い捨て経営(2)

昨日に続いて日経ビジネスの特集「さらば使い捨て経営」を紹介していきたいと思います。PART2は正社員化という話になるわけですが、いくつかの新しい勤務地限定の正社員制度が紹介されています。たとえばすかいらーくについては、 同社は今春、契約社員約9…

さらば使い捨て経営(1)

職場の回覧で日経ビジネス5月19日号が回ってきました。すでにバックナンバーになってしまいましたが、この号の特集は各所で話題になった「さらば、使い捨て経営」というもので、いまさらながら楽しく読ませていただきましたので感想など。特集は3部構成にな…

hamachan先生への異論

数日前にhamachan先生から頂戴したご著書『日本の雇用と中高年』をご紹介した際、一部に誤解があるのではないかとコメントしました。まだ議論に耐えるだけの検証はできていないのではありますが、ご関心の向きも多いようですので、疑問点をざっくりと書いて…

ホワイトカラー・エグゼンプションで生産性は向上するか?

昨日の日経新聞によりますと「時間に縛られない働き方を巡る政府内の調整が難航している」そうです。もとより難しい問題ではありますが、しかし報道のとおりだとすると、いつまでそんなズレた議論をしているのか…という思いを禁じえません。まず記事をご紹介…

理研の話

STAP細胞に関する論文が世間で大問題になっているようです。私はもちろん科学研究のことはなにもわかりませんし、それなりに何本か書いた身として論文の作法としてどうなのよという感想はあるもののあれこれコメントする立場にもないわけですが、これは各方…

ユニクロ、パート・アルバイト16,000人を正社員化

さて、もう1年くらい前になりますが、ユニクロ・ファーストリテイリングに対するブラック批判に関連して、柳井正氏はなかばお役目みたいな感じで露悪的な発言を繰り返す一方で、幹部にはブラック批判に対する問題意識もあり、「いずれは軌道修正して「ブラッ…

アルバイトの悪ふざけ

たまにはそれなりのエントリを(笑) このところ飲食店のアルバイト従業員の悪ふざけが発端になって、場合によっては閉店に至るといった不始末が続いていますが、これに関連して先週金曜日の日経MJにこんな記事がありました。「徳力基彦のECの波頭」とい…

ユニクロはどのくらいブラックなのか

さて上のエントリで柳井正氏のブラックぶりについて書いてきましたが、柳井氏はもともとそういう露悪的な発言をする人で、以前も書きましたが(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20051222#p2)やや辟易させられるところがあります。 いっぽうでユニクロは女性…

柳井正氏はなぜブラックなのか

先日のエントリで書きましたが、hamachan先生が社研のシンポジウムで「創造的安息という言葉だけが玄田先生の権威付きでマスコミに取り上げられて独り歩きをしはじめると、記事を真に受けたオーナー社長が『これからは休息もクリエイティブでなければならな…

またしても「電力会社よ、値上げするなら賃下げせよ」by河野太郎氏

衆議院議員の河野太郎氏が、ご自身のブログに「関電、九電の値上げのいい加減さ」というエントリをアップしておられます。 http://www.taro.org/2013/03/post-1329.php 関西電力と九州電力の料金値上げが申請され、その値上げ幅が妥当かどうかを電気料金審査…

10年程度の休職の制度化と30代の中途採用の実施で足りる

一昨日、昨日と40歳定年制に関する日経ビジネスオンラインの記事を取り上げましたが、思わず昨日の日経朝刊に関連する内容の記事がありましたので備忘的に。 いったん退職して、その間に培ったスキルや経験をいかして再び同じ会社で活躍する人が目立っている…

日本キャリアデザイン学会研究大会

ということで学会つながりで、もう一か月以上も前に開催された表記学会の感想を簡単に書いておきたいと思います。2012年9月15日(土)・9月16日(日)の両日、「前へ!!生活・家族・仕事、そしてキャリアデザイン」をテーマに東北学院大学で開催されました。 もっ…

東電よ、値上げするなら賃下げせよby河野太郎先生

自民党の河野太郎代議士のブログに、代議士が提出した「電力料金の引き上げを求める前に東京電力がとるべき行動に関する第三回質問主意書」への政府の答弁書が掲載されていました。 http://www.taro.org/2012/05/post-1197.php その中から、労働条件に関する…

労働条件のパッケージ性

だいぶ古いのですが先週の新聞記事で気になるものがありましたので備忘的に書きます。神戸新聞のウェブサイトから。 未払い残業代求めたら…会社解散、全員解雇 高齢者介護施設などで職員と事業者の間で賃金や休暇など労働条件をめぐるトラブルが絶えない。尼…

派遣に交通費

id:mkusunokさんから、10日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20111110#p1)にはてなブックマークでこんなコメントをいただきました。 [人事管理]期間の定めの有無による処遇の相違 - 2011-11-10 - 労務屋... d:id:roumuya 社会 1 user 2011/11/11 …

期間の定めの有無による処遇の相違

一昨日開催された労働政策審議会労働条件分科会の資料が厚生労働省のウェブサイトに掲載されておりました。 有期労働契約について議論されているわけですが、労使の意見の隔たりが大きい上に労使ともに業界間で異なる事情を抱える問題であり、分科会は昨年来…

日本マクドナルド、定年制を復活

昨日に続いてもう一つ週末の日経新聞から。順序は逆になりますが定年制廃止で話題になった日本マクドナルドが「若手育成が進まない」ということで定年制を復活させるそうです。そうそう、マクドナルドの教育・育成って高く評価されてましたよねえ(いやもっ…

技能伝承「できている」6割

きのうの日経新聞からです。 産業能率大学(東京・世田谷)が60歳以上の会社員を対象に実施した仕事に対する意識調査で、回答者の39.0%が「自分の技能や知識を社内で伝承できていない」と感じていることが分かった。主な理由では「伝承する相手がいなかった…

早起きは三文の得

とは申しますが。 「ユニクロ」のファーストリテイリングは、本部の所定就業時間帯を2時間早めて午前7時〜午後4時とするそうです。今朝の日経から。 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは9月から、就業時間を現在より2時…

新入社員の意識

毎年実施されて貴重な時系列データとなっている生産性本部による新入社員の意識調査です。今朝の日経から。 自分が入社した企業に定年まで勤めたいと考える新入社員が全体の34%にのぼることが、日本生産性本部の新入社員調査でわかった。前年に比べて9ポイ…

組織への信頼感

本日の日経新聞夕刊の「こころの健康学」というコラムに、著名な精神科医である大野裕先生が「強い組織 信頼感が働く幸せに」というエッセイを寄せておられました。大野先生は慶応は辞められたのかな。 先日、テレビ番組で、ある企業の社長さんが経理の担当…

有期のいる職場の管理監督職

ダイヤモンドオンラインに、「ワークス研究所の労働市場最前線」というリレー連載記事があります。今日、その第10回として戸田淳仁研究員の「有期労働者を活用していくために現場のマネージャーが担うべき役割とは」が掲載されましたが、たいへん興味深い内…

職場の格差と健康

本日も、日経「経済教室」の「人口減時代の人材力強化」を一日遅れでフォローします。最終回の「(下)」は富士通総研経済研究所河野敏鑑・齊藤有希子両上級研究員による論考で、お題は「生産性向上、「健康」もカギ 格差拡大、企業に損失 法律超えた対応が…

フィールド別採用

昨日から、日経新聞朝刊の「経済教室」で「人口減時代の人材力強化」というシリーズが始まっています。興味深い論考が続きますので、一日遅れでフォローしていきたいと思います。 昨日の(上)では、労働政策の重鎮である慶応大学の樋口美雄先生が登場されま…

第2象限の人材

まず大橋勇雄先生の「第2象限の人材」というエッセイです。 http://www.sanseiken.or.jp/forum/89-hatugen.html 下記の図1は、1999年にリパック教授とスネル教授によって構想されたもので、人材のアーキテクチャー(Architecture)として有名な構造図で…

正規登用の非正規雇用への影響

14日のエントリで取り上げた日本郵便の非正規社員削減について、ニュースウィーク・ジャパンのサイトに池田信夫先生が書かれたエッセイが話題になっているようです。 民主党政権は、製造業の派遣労働を禁止する労働者派遣法の改正案を出すなど、非正社員の規…

韓国の労働時間事情

AFPが韓国の労働時間事情を報じていましたので備忘的に。 【2月15日 AFP】韓国ソウル(Seoul)中心部のビジネス街。ここでは午後8時を過ぎても、ほとんどのオフィスビルで煌々(こうこう)と明かりがついたままだ。 多くの先進国では勤務時間は午前9時から午…

日本郵便、数千人を雇止めへ

47ニュースから備忘的に。 大幅赤字に陥っている日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)が、収支改善策の一環で、郵便物の配達や仕分けなどを担う全国約16万人の非正規社員の一部に対し、3月末で切れる契約を更新せず雇い止めとする方針であることが…

労使・学識の賃上げ見通し

「労政時報」3791号(2月11日号)に「労使、学識者451人に聞く2011年賃上げの見通し」という調査結果が掲載されています。労使は東証1部・2部上場企業の労組執行委員長等と労担部長等、各2,000人程度、学識者は主要報道機関の論説委員・解説委員、大学教授、…