新入社員の意識

毎年実施されて貴重な時系列データとなっている生産性本部による新入社員の意識調査です。今朝の日経から。

 自分が入社した企業に定年まで勤めたいと考える新入社員が全体の34%にのぼることが、日本生産性本部の新入社員調査でわかった。前年に比べて9ポイント上昇し、比較可能な1971年以降で最も高くなった。今春卒業の大学生の就職率が最低となるなど、厳しい就職戦線をくぐり抜けた新入社員だけに安定志向が強いようだ。
 今年の新入社員合同研修に参加した2154人が回答した。
 「この会社でずっと働きたいか」との問いに「定年まで働きたい」と答えた人は34%。一方、「状況次第で変わる」との回答は31%と4ポイント低下した。
 生産性本部は「超氷河期の就職活動を経て企業に入社した若者なので、今まで以上に会社の中で仕事に励もうという意識が強い」と分析する。
 どれくらい働きたいかを聞いたところ「人並み以上」が前年に比べ4ポイント上昇し、47%になった。今まで最も多かった「人並みで十分」との回答は47%と2ポイント低下した。仕事と生活でどちらを中心にするかを聞いたところ、「両立」との回答が8割を占めたが、「仕事中心」との回答が10%となり、「生活中心」と答えた人(8%)を2年連続で上回った。
平成23年7月8日付日本経済新聞朝刊から)

これは取り上げるたびに書いていることですが、この調査は生産性本部が実施している合同新入社員研修の受講者を対象に行われているものです。どんな研修かは、生産性本部のウェブサイトで見ることができます。
http://www.jpc-net.jp/seminar/freshman.html
つまりこの調査の対象者は、自前では新入社員研修はやらない、あるいは自前では不十分だと考えている企業であり、かつ一人数万円の費用を支払って新入社員に研修を受けさせる企業に入社した人たちである、ということでしょう。ですからまあ大企業ではないにしても、毎年何人かの採用を行っていて、それなりに人材育成にも意識がある企業ということになります。もちろん現実は多様でしょうが、それにしてもそれなりにいい会社に入れた人たちなのではないでしょうか。ということはなるべく長く勤めるのが正解でしょうし、そういう結果が出ているということではないかと思います。