政策

吾妻橋氏@大機小機

長くなってきたので続きは明日以降に回したいと思いますが、29日の「大機小機」欄に「吾妻橋」氏が登場されました。例によって明快かつ的確な議論を展開しておられますので、備忘的に転載しておきます。 ギリシャ旧政権による、国家財政の大幅な粉飾決算が明…

最低賃金、「平均1000円」大幅先送り

民主党はマニフェストに記載した「最低賃金1,000円」を2020年まで先送りすることとしたそうです。記事にもあるとおり、もともと時期は明記されていませんでしたので、必ずしも「先送り」とも言えないわけですが、10年後というのはいかにも先だなあというのが…

「いつか来た道」というけれど

28日の「経済教室」では、日経センターの短期経済予測を竹内淳一郎主任研究員が解説していました。お題は「リスク抱えた緩やか回復」で、主要部分である今後の見通しについては私にはコメントする能力がありません。ただ、最後のほうで労働市場に言及してい…

「「社会保障で成長」は誤り」鈴木亘学習院大学教授

日経のつけたと思しき見出しは「負担先送りは不可能 景気対策の効果も疑問」です。まあ、かなりキツい表現なので、これ自体も一部の方を刺激するに十分なのでしょう。 6月に始まる子ども手当の支給や、10年ぶりの診療報酬のプラス改定など、民主党が衆院選…

正規・非正規より女性活用

「若手が説く経済新論」というインタビュー記事に、一橋大学の川口大司先生が登場しておられます。お題は「女性活用で業績高めろ」。「製造業派遣の原則禁止など現政権は正社員を増やす政策に軸足を置く。一橋大学の川口大司准教授は正規、非正規にかかわら…

「民主党の経済政策どう評価 「安心確保」の財源見えず」橘木俊詔同志社大学教授

さらに続いて、最近の「経済教室」への感想シリーズです。本日は5月12日に掲載された橘木先生の論考で、「増税の手段、消費税で 雇用問題への対処が急務」という見出しがつけられています。 日本では、「教育費は家計が負担し、福祉などセーフティーネット…

「深刻化する雇用の二極化 「有期契約」長期化で埋めよ」鶴光太郎経済産業研究所上席研究員

続いて、5月11日に掲載された鶴光太郎先生の論考で、日経のつけた(と思しき)見出しは「処遇への配慮が重要 労働者にインセンティブ」です。 …残業減や一時休業で対応する企業の割合がかなり高く、労働時間による調整の度合いが大きかった…正規労働者の減少…

「研究進む「幸福の経済学」」大竹文雄大阪大学教授

どうもはなはだしく世間の動きに遅れているようですが、まずは大型連休中の5月3日に掲載された大竹文雄先生の論考です。「所得が高いと幸せ? 客観・主観両面から測定を」という見出しもついています。 …政府が昨年12月に発表した「新成長戦略(基本方針)」…

またも職業訓練バウチャーが浮上

もうひとつ連休中のネタです。数年前に「教育バウチャー」が取り沙汰され、いつの間にか消えました(なぜ消えてしまったのだろう?)が、今度は職業訓練バウチャーが再浮上してきたそうです。2日の日経新聞から。 長妻昭厚生労働相は職業訓練に使い道を限っ…

規制改革だけでは

ということで連休中のネタを取り上げていきたいと思います。いきなり昨日のエントリに転記したツイートにはないネタで恐縮なのですが、4日付日経新聞の社説をご紹介したいと思います。「「元気な経済」考」というシリーズもので、今回のお題は「介護・保育…

パネルディスカッション

さてシンポジウムの後半は私も参加したパネルですが、議論は非常に多岐にわたりましたので、印象に残った点をいくつか。 モデレータの樋口美雄先生がキーノート・スピーチをされたのですが、目指すべき社会と労働市場のあり方のビジョンを明確化し、その数値…

報告/市村英彦先生、深尾京司先生、戸堂康之先生

続いてRIETIのファカルティフェローを務められている3先生による研究報告がありました。 報告1「包括的高齢者パネルデータの必要性:労働政策の実証による評価を例として」/市村英彦東京大学大学院経済学研究科教授 最初に世界的に高名な計量経済学者であ…

総論「雇用・労働システムの再構築:雇用危機と労働市場の二極化への対応を中心に」/鶴光太郎RIETI上席研究員

全般的な問題提起という位置づけだと思われますが、例によって乱暴な要約を試みますと: 今回の雇用調整の特徴として労働時間、賃金(特に賞与)、非正規雇用(特に派遣)による調整が大きく、正規労働者の調整は雇調金の大幅増もあって小さかった。こうした…

現場からみた労働政策(10)有期雇用

「労基旬報」第1430号に寄稿したエッセイを転載します。 http://www.jade.dti.ne.jp/~roki/backnumber2010.html 厚生労働省の「有期労働契約研究会」が2009年2月に設置され、現在検討が進められています。これは直接には2003年の労基法改正の際に附則第3条で…

東京財団「新時代の日本的雇用政策」その3

ということで昨日の続きで、東京財団の「新時代の日本的雇用政策〜世界一質の高い労働を目指して〜」http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2009-14.pdfから「【6】無期雇用の制度」をご紹介したいと思います。 内容的には興味深い論点をいろいろ含んでいるの…

東京財団「新時代の日本的雇用政策」その2 驚異・脅威・狂気

昨日のエントリの続きで、東京財団の「新時代の日本的雇用政策〜世界一質の高い労働を目指して〜」という政策提言を取り上げます。 http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2009-14.pdf」 今日はその中の「【5】有期雇用の制度」をご紹介するのですが、様々な意…

東京財団「新時代の日本的雇用政策」

先月、東京財団政策研究部から「新時代の日本的雇用政策〜世界一質の高い労働を目指して〜」という政策提言が発表されました。 http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2009-14.pdf 「会社の本質と資本主義の変質研究」という遠大そうなテーマで行われている一連…

現場からみた労働政策(8)派遣規制ふたたび

労基旬報誌に掲載したエッセイを転載します。 さる10月7日、厚生労働大臣から労働政策審議会に対して今後の労働者派遣制度のあり方について諮問がありました。政権交代後初の諮問で、議論の行方が注目されるところです。 その文面をみると「…貴会における調…

事前面接は解禁が望ましい

きのうのエントリの趣旨は三者構成原則についての話だったのですが、TTさんから派遣労働者の事前面接についてコメントがつきましたので、それについても少し書いてみたいと思います。 まず、「派遣の制度趣旨から言って、個別労働者の選別に直決(ママ)する…

ベーシック・インカムへの違和感

今朝の日経新聞の連載記事「インタビュー領空侵犯」で、経済評論家の山崎元氏がベーシック・インカム(BI)の導入を主張しておられます。 「例えば1人月5万円を配ると、家族4人なら月20万円。なんとか暮らせます。生活保護や年金、失業給付などはBIに一…

平成21年度第2回雇用政策研究会議事録

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20100204、http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20100208などでご紹介した第2回雇用政策研究会の議事録が、厚生労働省のホームページに掲載されました。 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/txt/s0127-17.txt なにせ長文ですし…

大学生に中小企業紹介

東京都墨田区の金属加工メーカー、浜野製作所。約20人の大学生が2月に同社を訪れた。経済産業省が始めた「地域魅力発見バスツアー」だ。就職活動を始める前の大学生を20〜30人集め、最大5泊6日かけて約10社の中小企業を訪問する。 …ツアーに参加するまで山崎…

EU、雇用率75%以上を目標に

欧州連合(EU)の欧州委員会が近く提案する2020年までの新成長戦略の全容が明らかになった。人材や研究開発(R&D)への投資を大幅に増やし、生産性を向上。20〜64歳の人口に占める雇用者の割合(雇用率)を現在の69%から75%以上に引き上げるなどの数…

幸福度

小さく載っておりましたが…。 鳩山由紀夫首相は28日、菅直人副総理・財務相や仙谷由人国家戦略相らと首相公邸で会い、国民の「幸福度」を調査することを確認した。戦略相は「来週早々にでもやろうと確認した。単なる数字の国内総生産(GDP)だけではない…

現場からみた労働政策(7)セーフティネット

転載転載でなんとか遅れを取り戻しました(笑)。今日は「労基旬報」1422号(2009年10月5日号)に寄稿したエッセイの転載です。 http://www.jade.dti.ne.jp/~roki/backnumber2009.html 8月31日に実施された総選挙の結果を受けて、9月16日には民主党を中心と…

労働政策を考える(12)改正育児・介護休業法

さらに続けて、「賃金事情」2579号(2010年2月5日号)に寄稿したエッセイを転載します。 昨年6月に改正育児・介護休業法が成立し、一部を除いて今年6月30日に施行される予定となっています。この法律は、第1条に「子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇…

労働政策を考える(11)派遣規制

「(10)三者構成」は行きがかり上(笑)すでに転載しましたので(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20100125#p1)、ここでは「賃金事情」2576号(2009年12月5日号)に寄稿したエッセイを転載します。 民主党を中心とした新政権が発足し、労働政策の動向も注目さ…

労働政策を考える(9)解雇規制

きのうに続き、「賃金事情」2572号(2009年10月5日号)に寄稿したエッセイを転載します。 http://www.e-sanro.net/sri/books/chinginjijyou/a_contents/a_2009_10_05_H1.pdf 昨今の雇用失業情勢の悪化や、非正規労働の社会問題化を受けて、雇用対策、とりわ…

素人の素朴な疑問

もう一つ2月9日の日経新聞から。「経済教室」欄で経済学者の奥野正寛東京大学教授が「市場機能を利用した所得再分配策 給付で現金・現物併用を」という論考を寄せておられます。その一部を抜き書きしますと、 例えば保育所の場合、ランクの異なる2つの認可基…

第2回雇用政策研究会資料

1月27日に開催された厚生労働省の雇用政策研究会に連合の團野副事務局長と二人で呼ばれ、「目指すべき雇用システムとセーフティネット」ということでヒヤリングを受けてまいりました。その際の資料などが厚労省のホームページにきのう掲載されましたので、ご…