労使関係

「今春闘を契機に」

先週水曜日、金属労協の主要労組が一斉に要求書を提出し、今次春季労使交渉・労使協議がスタートしました。すでに序盤戦の協議が進んでいることと思われますが、今年も経営サイドは賃上げに積極的とのことでもあり、協議を尽くして誤りのない解決に至ってほ…

「連合総研の」中村天江さん大車輪の活躍

連合総研の機関誌『DIO』の7月8月合併号が送られてまいりました。リクルートワークス研究所から連合総研に転じられた中村天江さんがさっそく意欲的な特集を組んでおられます。昨年実現した家電量販店の労働協約の地域的拡張適用が契機となっているようで、立…

「労働者であると同時に生活者として」by山田久先生

連合総研ブックレット16号が送られてまいりました。今号は「連合総研「日本の未来塾」講演記録集I」ということで、第1回から第3回までの記録が収載されています。「日本の未来塾」は「今後の労働運動を担うことが期待される中堅の人材と、分野を超えた若手研…

最近の日経から

最近の日経新聞から2題ほど。まずは一昨日の朝刊に掲載された「雇用と賃金、二兎を追え」と題するコラムです。上級論説委員水野裕司の署名がありますな。 コロナ禍による先行きの不透明さから今年の賃上げは減速しそうだ。…景気が落ち込むと経営側が「雇用か…

「2020年版経営労働政策特別委員会報告」に対する連合見解

ということで例年どおり経労委報告に対する連合見解も発出されておりますので簡単に感想など書いておきたいと思います。 まあ例年の話で、これから交渉事を始めようというときに甘い話はできないというのは作戦上当然ではなると思うのですが、それにしても昨…

経団連「2019年版経営労働政策特別委員会報告」に対する連合見解

中央の講義期間中に積み残した仕事というのが相当にあり、さらに「講義が終わってから」という案件もいくつかあって消化に追われていたのですが、なんとか一段落となりました(と信じたい)。先週、今週と働き方改革の関係でまとめてしゃべる機会があってご…

連合総研30周年記念シンポジウム

昨年12月5日の開催なので既に3か月以上経過してしまっているのですが、感想を書きますと約束したので書きたいと思います。この間に「DIO」2月号に要旨が掲載されたので作業はだいぶん楽になった(笑)。ただまあ正直なところ十分正確に理解できているのかど…

ヤマト運輸、労使で業務負荷を調整

適正な法規制の導入というのももちろん大事だと思いますが、個別労使のこうした取り組みを積み上げることはさらに重要、かつ結局は実効的なのではないでしょうか。今朝の日経新聞から。 ヤマト運輸の労働組合が2017年の春季労使交渉で初めて宅配便の荷受量の…

「賃上げ」の流れを止めてはいけない

まずはhamachan先生からおたずねをいただいたこの件です。 『月刊連合』12月号は「賃上げを止めるな!」と言っています。そりゃ、労働組合が賃上げを止めるな!というのは当たり前なのですが、そこに登場している人が・・・。 https://www.jtuc-rengo.or.j…

政治ストが「伝家の宝刀」?

書くと言いましたので書けるときに書いておきたいと思います。周回遅れな感はありますが7月15日付毎日新聞夕刊に掲載されたこの記事です。見出しは「安保法案衆院委で可決」「今こそ「伝家の宝刀」」「スト権確立、続々と」「戦争が起きれば真っ先に巻き込ま…

組織化・交渉力強化の発想

さる16日に某所で招かれて労使関係と人事管理の歴史と展望についてお話ししてまいりました。戦後日本ではそもそも欧米型の労使関係や人事管理を構築しようとの動きがあったところ主に高度成長期の極度の人手不足、特に管理者・熟練工不足を背景にそれとは異…

2015年版経労委報告

この20日に発表されていたようです。なぜか経団連ウェブサイトの政策提言/調査報告のページには目次だけしか掲載されていないのですが、機関紙のページに要約が掲載されています。 ■ 持続的な成長を実現する経営環境の確立 「東日本大震災からの復興」に加…

三菱東京UFJで契約社員を組織化

メガバンクの一角、三菱東京UFJで、契約社員12,000人が労働組合に加入できるようになり、うち7,000人が加入したとのことです。本日の日経朝刊1面トップで報じられていました。 三菱東京UFJ銀行の窓口業務などを担う約1万2千人の契約社員が正社員と同…

森戸先生とhamachan先生の不思議な議論

さてようやく本題に入りますが、上記日経の記事にhamachan先生から一言ないかと思って先生のブログを拝見したところこんなエントリを発見しました。「ジュリスト」の当該記事を読んでいないので的外れな話になる危険性は多々あるのですが、とりあえず先生の…

賃上げへ政労使協定

今朝の日経新聞で報じられていました。雇用政策は政労使三者で、というのは王道だとは思いますのでその限りではけっこうな話ですが、とはいえ内容はいささか筋が悪いような…。 デフレ脱却のカギを握る賃金の上昇に向け、政府、経済界、労働組合の3者で協定…

最低賃金の改定

なんか非常に間が空いてしまいましたが「賃金事情」2614号(2011年9月5日号)に寄稿したエッセイを転載します。いやすでに今年の最賃の改定もすんでしまっているわけではなはだしく今さらの感がありますが。なおタグは労働政策と迷いましたがこちらにしまし…

「公務員の協約締結権」フォロー

hamachan先生から7月23日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120723#p1)にコメント(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-39ac.html)を頂戴しましたのでお返事を。 わたくしは行政改革懇談会などというところにはまったくア…

公務員の協約締結権

hamachan先生が産経のこの記事に噛み付いておられます。 消費税増税に「命を懸ける」と執念を燃やす野田佳彦首相はついに公務員制度改革関連法案を断念した。公務員制度改革とは名ばかりで官公労の権限を強化する「お手盛り」法案だけに当然の判断だといえる…

大阪の話(1)フォロー

前回取り上げた大阪市のアンケートですが、報道によると大阪府労委が「支配介入に該当するおそれのある項目がある」との見解を示したそうです。まあ「おそれがある」というのは基本的には救済機関である府労委の見解としては妥当でしょう。敵は意図的に内角…

大阪の話(1)

大阪市の人がまたあれこれやりだして話題になっているようですね。 大阪市の橋下徹市長が全職員を対象に政治活動に関する実態調査を指示したことに対し、市労働組合連合会(市労連)などは13日、「思想・信条の自由などを侵害し、組合運営に介入する不当労働…

ルネサス、3カ月間7.5%賃下げ

今朝の日経新聞で報じられておりました。 半導体大手のルネサスエレクトロニクスが2012年1月から月例賃金を7.5%減額することで、労使間で合意したことが4日明らかになった。ルネサスは東日本大震災で主力工場が被災したことに加え、急激な円高や半導体需…

労働政策を考える(25)勤務時間インターバル制度

「賃金事情」2605号(2011年4月5日号)に寄稿したエッセイを転載します。 近年、労働組合による「勤務時間インターバル制度」導入の取り組みが注目されています。2009年の春季労使交渉では情報労連が「可能な組合においてはインターバル規制について労使間論…

野川先生の名言

ちょっと書いてる時間が乏しいので労働政策研究会議はお休みして、昨夜ツイッターを眺めていて発見した野川忍先生のつぶやきをご紹介したいと思います。 theophil21 野川 忍 (1)労使関係の未熟さを批判する折に、どうしても労働組合に対して厳しくならざる…

産別の足並み揃わず

今朝の日経新聞で、来季春季労使交渉に向けた労組の動きがいくつか報じられていました。 自動車や電機、鉄鋼などの産別組合で構成する金属労協(IMF―JC)は7日、2011年の春季労使交渉に向けた闘争方針を決定した。厳しい雇用環境が続くなか、労働分配…

労使関係の味方

野川忍先生がツイッター(http://twitter.com/theophil21/)で「労使関係の味方」と題して連続ツイートされています。労働新聞に掲載された原稿のダイジェストとのことで、記事についてはhamachan先生がブログ(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2…

ユニオンショップの功罪

もう一つ読者の方から燃料投下、というかご質問をいただきました。大内伸哉先生がブログでユニオン・ショップ制について疑義を呈したのに対し、hamachan先生こと濱口桂一郎先生がやはりブログで反論しておられ、これについての私の見解をご質問いただきまし…

都道府県最低賃金審議会

職場の回覧で、連合の機関誌「月刊連合」を読みました。メインの特集は改正貸金業法なのですが、地域別最賃が決まったということで、千葉、京都、福島、大分の各府県の最賃審議会で議論に参加した各府県連合のオルグによる座談会が掲載されています。見出し…

労働審判、4年で4倍

もうひとつきのうの日経から。社会面で報じられていました。 労働紛争の迅速解決のために導入された「労働審判制度」で、2009年の申立件数が過去最高を記録したことが、28日までの最高裁の調査で分かった。全国で3468件に上り、導入4年で約4倍の伸び。長引…

ホンダ、中国の工場を週明けも停止 ストの影響続く

ホンダの中国の現地法人で大規模な労働争議がありました。 ホンダは28日、中国の変速機工場で続くストライキの影響から、完成車を生産する中国の全工場の稼働を週明け31日も停止することを決めた。6月1日以降については引き続き労使協議を続け、31日までに…

ワークルールチェッカー

連合は、この2月から「ワークルールチェッカー」という運動を展開しています。「3分間労働条件診断」と銘打たれており、「あなたの働き方が、本来守られなければならない労働のルールに沿っているかどうかをチェックするためのツールです。簡単な質問に答え…