「公務員の協約締結権」フォロー

hamachan先生から7月23日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120723#p1)にコメント(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-39ac.html)を頂戴しましたのでお返事を。

わたくしは行政改革懇談会などというところにはまったくアウトサイダーですので、「なおhamachan先生はインサイダーであり・・・」というのはまったく事実と異なりますが、まあそれはそれとして、

わたくしのようなアウトサイダーがこの記事を読んだときに、当該記事を書いた産経新聞の記者がこういう風に読んでもらいたい、受け取ってもらいたいと思いを込めて書いた、まさにその思いに沿って読んであげるのがごく普通であって、労務屋さんのように受け取ることは、少なくとも当該記者さんは考えていなさそうに見えます。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-39ac.html

まず「インサイダー」についてはたしかに誤解を招く表現でしたので率直に自己批判し、お詫びのうえ訂正させていただきます。申し訳ありません。
そこで「当該記事を書いた産経新聞の記者がこういう風に読んでもらいたい、受け取ってもらいたいと思いを込めて書いた、まさにその思い」ですが、23日のエントリでも少しふれたように核心はおそらく「公務員制度改革とは名ばかりで官公労の権限を強化する「お手盛り」法案だけに当然の判断」という点にあり、そこから(いつもながら下世話な表現ですが)「これで連合が政権から離反して民主党政権が倒れればいいのにね」といったところではなかろうかと思います。したがって、葛西氏の発言についても記者の意図は「そのとおり」ということでしょう。このあたりは双方読み方にさほどの相違はないものと思います。
あとは葛西氏の発言の読み方(というか評価というか)になりますが、hamachan先生は「国鉄JALの経験を踏まえたとしても、この記事に書かれた文言…は、文字通りの意味にしか取りようはなく」「少なくとも「週刊誌的ワイドショー的「民意」」といっしょくたにして揶揄するのははなはだしく失礼ではないかと」は思われないところ」と主張されるのに対し、私は23日のエントリで書いたとおり国鉄の経験を踏まえて文字通りの意味には取らず「相応の重みをもって尊重されるべきもの」と考えるわけです。これについては、わが国公務員の労働基本権が国際的に立ち遅れていることを考えればEUのレーバーアタッシェを務められたhamachan先生がそのように読まれることはたいへんよく理解できますし、私の読み方に私のキャリアに由来するバイアスがあることも否定するつもりはありません
ということで、「産経新聞記者やその読者の皆さまに向けては、それなりに適切な評語であったのではないか」とのご見解には特段異論はありませんが、「週刊誌的ワイドショー的「民意」」が葛西氏(や稲盛氏)についても適切な評語であるかどうかは私としては依然として疑問に思います。