労働法の専門ジャーナル「季刊労働法』の2019春号(通巻第264号)の標記鼎談に登場しております。
- 出版社/メーカー: 労働開発研究会
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 雑誌
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まず上限規制について。
…「優秀な人が8時間働くのであれば、平凡な私は16時間働いて上回ってみせる」といったことを美徳のように考える風潮がまだ残っているのではないでしょうか。会社として、「君は平凡だから競争はあきらめて、ムダな努力はやめて8時間で帰りなさい」と言えるのかどうかですね。それをどれほどの人たちが望んでいるのか。
(中略)
…少なくとも時間外・休日に200時間働いてキャリアの競争をするということはダメだということになった。100時間超えて残業して、体を壊して、周りに迷惑をかけてまで、競争に勝ちたい、というのがフェアな競争ではない、ということにはなってきたのでしょうね。
次は同一労働同一賃金の、賞与に関する部分です。
…日本の正社員は、課長以上に限らず、経営方針に基づいて、仕事が割り当てられてPDCAを回すことが責任となっていて、収益計画にリンクしている。それが、企業業績に貢献するということだと思います。そういった仕事をしている人と、収益計画とは切り離された仕事をしている人というのは、当然違うわけです。
ただ、現状はそうした違いが明確になっていない企業もあると思いますので、そうした企業はきちんと方針管理、収益計画のブレークダウンをやる必要が出てくるでしょう。
最後のまとめの部分では働き方に関するいつもの話を。
…質的な問題ではなく、量的な問題だと思っています。これまでは経営幹部や上級管理職を目指して競争する人が多数だったわけですが、そういう人は、これからもいるでしょうがだんだん減っていく。その分、そうではない人が増えていくということで、働き方改革が実現していくのだと思います。
(中略)
…4時、5時に帰って社長になれる人はいると思いますし、そういう人も社長になれることは大事だと思います。ただ、そういう超人的な人は全体の0.1%もいないだろうということは忘れてはいけないと思います。
佐藤先生が同一労働同一賃金ガイドラインにパートタイム労働法での蓄積が活かされていないことを鋭く追及する部分など読み応えありますのでぜひご一読を(宣伝)。