きのうの夕刊に小さく出ていました。
社民党の福島瑞穂党首は九日午前、国会内で麻生太郎首相と会談し、年末に向けた雇用対策強化を申し入れた。派遣社員などの中途解雇の防止や雇用促進住宅の入居要件の緩和が柱。福島氏によると、首相は「珍しく社民党と意見を共有している。きめ細かな検討をする」と応じた。採用内定を取り消した企業名の公表も「検討中だ」と述べた。
(平成20年12月9日付日本経済新聞朝刊から)
「珍しく」というのがなかなか率直で笑えますが、それはそれとして、「派遣社員などの中途解雇の防止や雇用促進住宅の入居要件の緩和」というのはたしかにもっともな政策と申せましょう。ただ、「派遣社員の中途解雇」というのはいささか意味不明で、派遣社員を雇用しているのは派遣会社(派遣元)ですから、派遣先が仮に派遣受け入れを契約期間途中で打ち切ったとしても「中途『解雇』」とはいえないはずです。ただ、登録型派遣だと打ち切られたとたんに派遣元との労働契約も事実上なくなってしまうという実態もあり、このあたりは登録型派遣という形態のあいまいさと申せましょう。いずれにしても、派遣契約が残っているのに一方的にこれを打ち切り、解約するというのはよほどの事情がなければ許されることではなく、その防止は重要な政策課題です。
また、雇用促進住宅については、その利用率が低迷していることから廃止が決まっており、段階的に地方自治体や民間への売却が進められているところです。この方向性自体は間違っていないでしょうが、現に住居に困窮する失業者がいて、職の得られそうな地域に雇用促進住宅の空きがあるのであれば、これは有効に活用することが考えられていいでしょう。新たに作るとなるとそれはさすがに考えものですが、とりあえず売却をストップして使えるものは使うというのは臨機応変の措置といえそうです。いっぽうで、仕事のない地域の雇用促進住宅は、これは雇用促進にならないわけですから、空いているなら売却を進めるべきでしょうが…。