ワーク・ライフ・バランスの使い道

これも1週間ほど前の記事ですが。

 ミュンテフェリング独副首相兼労働社会相が十三日、辞意を表明した。理由については、記者会見で「妻との生活を重視したい」と説明。がんで闘病生活を続ける夫人の看護を優先する姿勢を示した。後任は同じ社会民主党(SPD)所属で政策通のシュタインマイヤー外相が兼任する。
 独大連立政権では、最低賃金法の導入問題などで与党内に不協和音が目立ち始めている。メルケル首相率いるSPDの重鎮で、与党内でキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との調整役を果たしてきた副首相辞任は政局への波紋を広げそうだ。(ベルリン=赤川省吾)
(平成19年11月14日付日本経済新聞朝刊から)

大物政治家が「家庭を大切にしている」ことを演出するために仕事を休む、というのは欧州ではときどきみかけます(いや、もちろん本当に大切にしているのだと思いますが)が、こういうのもあるわけですね。おそらく、記事後段の「与党内に不協和音が目立ち始めている」も辞任の理由の一定部分を占めているのでしょうが、それをあからさまに言わないための方便として「妻との生活」を持ち出しているという部分もあるのではないでしょうか。