平成の10冊

 JIL雑誌の「平成の労働市場」特集を読んでいていろいろと感慨深いものがあったのですが、ふと思ったのは私も往々にして「私昭和の人なんでねえ」とか気取ったり開き直ったりしているわけですが実際には人生の半分以上が平成であり、ましてや成人してからは大半が平成であるわけで、「平成の人」以外のなにものでもないよなあと。
 世間ではなにやら「7日間ブックカバーチャレンジ」なるものが流行っているという話もあるらしい(それはそれでフェイスブックでやりはじめたりもしている)ので、まあエントリのネタとしても差し障りが少なかろう(笑)ということで毎年やっている「今年の10冊」の応用編として「平成の10冊」を選んでみました。一著者一冊で順位等はなく、自分が関わった本は選ばないというのは例年の10冊と同じですが、掲載順は発行日順にしてみました。いずれも定評ある名著なので特段のコメントはしませんが、驚いたのは飯田『経済学誕生』と川喜多・佐藤『ユニオン・アイデンティティ大作戦』は中10日、高橋『虚妄の成果主義』と稲葉『経済学という教養』に至ってはなんと中2日で続けて刊行されているのですね。30年間でこんなことが2回もあったというのは驚きです。
 文庫化されている本も何冊かあり、英訳されているものもあったします。一部、オリジナルの書影にはAmazonのリンクが入れられなくなっているものもあり、それらは代わって楽天のリンクにしておりますが、そういう事情なので売れれば消えてしまうかもしれません。

飯田経夫『経済学誕生』(平成3年)

川喜多喬佐藤博樹『ユニオン・アイデンティティ大作戦』(平成3年)

佐伯年詩雄『現代スポーツを読む』(平成18年)

 なお実は10冊に絞るために「日本人著者に限る」という謎ルールも導入しており(まあ和暦の平成だからな)、それにより以下3冊を除外いたしましたので番外編で。上記10冊から飯田、稲葉、佐伯に代えて下記3冊を加えれば労働関係に限った平成の10冊になります。

ジャコービィ『日本の人事部・アメリカの人事部』(平成17年)

 しかしあれだな、やはり平成前半期に偏っている感は否めないな。まあ「定評あるもの」という評価が定着したものを選んでいるからでしょうね…。