今年の10冊

例によって1著者1冊、著者名50音順で掲載順に意味はありません。

稲葉振一郎『不平等との闘い』

いなば先生は次々と本を出されているなあ。書評はこちらです。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20160601#p1

大川慎太郎『不屈の棋士

不屈の棋士 (講談社現代新書)

不屈の棋士 (講談社現代新書)

今年はAIと労働の関係に関心をもってあれこれつまみ食いしてみたのですが、一番おもしろかったのがこの本でした。プロフェッショナルが、機械が自分以上のパフォーマンスを出すようになったときにどう思い、何を考えるのか、将棋ソフトがトップ棋士の棋力を上回りつつある中でインタビューしたもので、各人各様の語りが非常に興味深いものがあります。

川喜多喬『産業社会学論集III』

産業社会学論集3 会社員の境遇と心情編

産業社会学論集3 会社員の境遇と心情編

簡単なコメントがこちらにあります。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20161103#p1

小池和男『「非正規労働」を考える』

わが国の非正規労働をめぐる歴史的経緯と過去の調査結果をもとに、非正規雇用は古くからあり、その機能は柔軟な雇用調整、安価な労働力の利用、そして能力適性を見極め正社員登用するための人材選別の3つであることを示し、現在の議論が前2者に偏って人材選別機能を看過していることに危惧を表明した本です。人材選別機能を生かしつつ、弊害を縮小することで、人材育成と正社員登用の拡大をはかることが提言されています。小池先生らしい本といえそうです。

武石恵美子『キャリア開発論』

キャリア開発論

キャリア開発論

書評はこちらです。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20161219#p1

鶴光太郎『人材覚醒経済』

人材覚醒経済

人材覚醒経済

簡単なコメントがこちらにあります。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20160929#p1

M.ブース『限りなく完璧に近い人々』

限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?

限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?

デンマークアイスランドノルウェーフィンランドスウェーデンの北欧五カ国を訪問し(デンマークには実際に居住し)、歴史と風俗を調べ、識者にインタビューすることを通じて、往々にして「世界一幸せ」といわれる北欧の生活実態の「正味のところ」を紹介した、非常に興味深くまた面白い本です。私としては、だいぶ以前から北欧やオランダを賞賛する論調に対して表明していた違和感(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20051013http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20090127#p2http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20090408http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20090507など)に通じる内容が多くあったのも収穫でした。

鳴沢真也『へんな星たち』

巻頭の図版を見て即決で買いました。不審な挙動をする「へんな星たち」について、なぜそうなるのかというメカニズムと、その解明に尽くした天文学者たちの姿を解説・紹介した本で、非常に楽しく読みました。まあ面白く書こうとするあまりすべっている部分もあるのですが(笑)、それにしてもこういう分野につける予算は減らさないでほしいなあ。

八代尚宏『シルバー民主主義』

簡単なコメントがこちらにあります。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20160525#p1


今年も読書三昧の楽しい年でした。
今年一年、ありがとうございました。よいお年をどうぞ。