浅倉むつ子・萩原久美子・神尾真知子・井上久美枝・連合総研編『労働運動を切り拓く』

連合総研の新谷信幸さんから(だと思う)、浅倉むつ子・萩原久美子・神尾真知子・井上久美枝・連合総研編『労働運動を切り拓く-女性たちによる闘いの軌跡』をお送りいただきました。ありがとうございます。

労働運動を切り拓く 女性たちによる闘いの軌跡

労働運動を切り拓く 女性たちによる闘いの軌跡

陳腐な言いぐさですが、まさに大河ドラマと申しましょうか。戦後まもない1949年から組合活動に従事された多田とよ子氏をはじめ、昭和から平成の女性労働運動に重要な役割を果たし、その手で社会を変えてきた12人の活動家のインタビュー(うち1人は講演録)を中心に、編者たちが解説を加えた本です。活動家の義憤、苦悩、闘志や連帯がひしひしと感じられるとともに、その不屈さ、前向きさ、そして明るさに深い感銘を覚えます。職場に到着するや否や思わず読みふけってしまいましたが、こういう地雷を職場に送られると仕事にならないので困るのですが(笑)。じっくりと噛みしめて読みたい本だと思います。

  • 余談ですが、多田氏が戦時中に私の自宅近くの調布市(国領町)の東京重機工業で働いていたとの記述がありました。地元では知られていることですが戦時中には10万挺近い歩兵小銃を生産した軍需工場であり、戦後は工業用ミシン事業の生産拠点として発展しましたが、産業構造が変化する中で2000年には稼働を終了して本社のみが残り、2010年には本社移転にともなって跡地がイトーヨーカドーに売却され、現在ではショッピングモールとなっています。この週末にでも、あらためて訪れてみたいと思います。