きのうの日経新聞「経済教室」で、大竹文雄先生が格差問題をわかりやすくまとめておられます。
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格差社会という言葉が人々の関心を呼ぶ一つの理由は、その言葉の多義性にあるようだ。議論される格差の対象は論者により異なることが多い上、単なる感情論も多い。それが格差社会に関する議論を混乱させる原因でもある。混乱を避け政策を議論するには、事実に基づく議論をすべきだろう。
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格差拡大という社会問題が発生した際、その中身を調べ、原因を究明することが何より重要である。技術革新やグローバル化が格差拡大の原因であれば、その直接的対応策は教育訓練の充実である。不況で低所得者が増えたのなら、景気回復で格差問題は解消する。再分配政策がうまく機能していないことが原因であれば、税・社会保障改革が解決策になる。
格差論議は情緒的な議論が先行しやすく、それだけで政策を決定することは問題が多い。
(平成19年5月14日付日本経済新聞朝刊「経済教室」から)
御意。