日本労働研究雑誌9月号

 (独)労働政策研究・研修機構様から、『日本労働研究雑誌』9月号(通巻746号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 今号の特集は「住むことと働くこと」、ずばり”転勤”です。このブログでも以前ご紹介しましたが(中大WLB・D&I研究PJT転勤提言 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」))以前から日本企業が頻回の転勤を想定していることの是非についての議論はあったわけですが、近年のテレワークの拡大も踏まえたあらためての特集というところでしょうか。
 まだ斜め読みしただけなのですが、過去エントリで紹介した中大のプロジェクトでも活躍された武石恵美子先生がここでも論文を寄せておられ、「キャリア形成上の理由であった」「希望どおりだった」と評価する割合が高いと「転勤以外の異動に較べて能力開発面でプラスになった」という結果が示されているのはたいへん納得のいくところです。過去エントリでも書きましたが、結局のところ転勤してメリットがあった、典型的には転勤と同時または転勤後まもなく昇進・昇格したとか、行き詰まりを感じていた職場から希望どおり抜け出して新たな職場に移れたとか、そういうことが「能力開発面でプラスだった」という評価につながるということではないでしょうか。
 ちなみに私自身は結局3回の転勤を経験しました(この年齢になればもうないでしょう)。3回とも典型的なメリットを享受しましたので他の異動と比べて能力開発面でプラスであったと評価しております(笑)。3回ともついてきてくれた家族には感謝しかありません。
 あと本号で目をひいたのは関家ちさと氏の著書が書評されていたことで、もう7年前・8年前になりますがJIRRAの労働政策研究会議の自由論題で2年にわたり発表を聴講したことを記憶しております(JIRRA労働政策研究会議 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」))。本号で特集の基調論文を寄せられている今野浩一郎先生のお弟子さんだったと思います。肩書は労働政策研究・研修機構研究員となっていますので、立派に博論をまとめられて(本書はその書籍化と思料)学位を取得し、就職されたとお見受けしてまことにご同慶です。中大の図書館に入っていましたのでさっそく予約しました。買うには少々高い(笑)