末啓一郎『テレワーク導入の法的アプローチ』大久保幸夫『マネジメントスキル実践講座』

(3月4日追記)『マネジメントスキル実践講座』著者の大久保幸夫先生からもご恵投いただきました。ありがとうございます。

 (一社)経団連事業サービスの讃井暢子さんから、経団連出版の最新刊、末啓一郎『テレワーク導入の法的アプローチ-トラブル回避の留意点と労務管理のポイント』と、大久保幸夫『マネジメントスキル実践講座-部下を育て、業績を高める』の2冊をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 テレワークについては東京五輪に加えて昨今の感染症対策としても注目が集まっており、情報通信技術の進歩もあいまって、法的な課題は積み残されたままで実態としてなし崩しに拡大が進んでいるのが実態といえましょう。そうした中で、本書は経営法曹の末先生がさまざまな法的論点を整理し、紛争を招かないようなテレワークの制度や運用についてまとめています。今後どのような法的整備が進むのかは読みにくいわけですが、本書では労働弁護団の見解をひいて課題を指摘しているのが(経営法曹の本の中で)目をひきます。
  こちらは新任マネージャーのための解説書という趣きで、読みやすくわかりやすい記述が心がけられており、初任者の教材としてはたいへん良好なも
ののように思われます。もちろん現実は教科書どおりにはいかないわけですが、そこは組織や職場の状況に応じてそれぞれに苦心して対応するしかないわけです。そういう意味ではややないものねだり的にはなりますが、マネージャーの役割としての「部下のキャリア管理」についてあまり言及がないのがやや残念に感じられました。