オリエンタルランドフォロー

5月21日のエントリでご紹介したオリエンタルランドの事例について、J-Castで続報が見つかりましたのでご紹介したいと思います。
http://www.j-cast.com/2014/05/23205633.html

東京ディズニーリゾートで7〜17年間パフォーマーとして働いていた人たちが、請負業者から雇い止めになり、不満を訴えている。偽装請負であり直接雇用してほしいとしているが、運営会社のオリエンタルランドでは、「偽装請負していた事実はない」と反論している。…
今回不満を訴えたパフォーマー7人は、東京都内の請負会社に所属し、1年ごとの有期契約で働いていた。屋内のショーやイベントで竹馬のようなものに乗るなどして、パフォーマンスをしていたそうだ。
7人が加入する個人加盟型の労組「なのはなユニオン」によると、ショーのリニューアルに伴って、請負会社企画のパフォーマンスがなくなり、2014年3月31日と4月6日をもって雇い止めになった。
これに対し、7人は、形式的には請負労働だったものの、実際には、オリエンタルランドから指揮・命令を受ける派遣労働だったと訴えている。…
雇い止めを通告された7人は、オリエンタルランドに非正規で直接雇用されている1人とともに、2月3日になのはなユニオンの支部として「オリエンタルランド・ユニオン」を結成した。
オリエンタルランド・ユニオンでは、3月に入って、直接雇用を訴えて、オリエンタルランドに団体交渉を求めた。しかし、雇い止めは請負業者の問題になるなどとして、拒否されたという。そこで、ユニオン側は2014年4月28日、7人の就業実態は違法な偽装請負だったとして、厚労省の東京労働局に申告した。…
オリエンタルランドの広報部では、偽装請負との指摘について、「そうした事実はございません」と否定した。東京・千葉両労働局からは、今回の申告について、「法令に違反する事項はない」との見解を示されたことを明らかにした。…
http://www.j-cast.com/2014/05/23205633.html

ということで偽装派遣を主張して直接雇用を求めたという話だったようです。これ自体はありうる作戦でしょうが、とりあえず団交を拒まれるのは致し方ないでしょう(以前滋賀県労委が類似の事件で救済命令を出して話題になりましたが追随例は現れていないはず、だと思いますが自信はないので間違っていたらご教示ください)。
あとは偽装請負か否かという判断になりますが、前回のエントリでも書きましたが、この記事中にもあるとおりエンターテイナーの大多数は直接雇用であることを考えると、偽装請負の疑義があるものを長期にわたって請負のままにしておくというのも考えにくいように思われます。ということで、労働局も法違反はないとの見解だというのもそうだろうなという感じです。
なお仮に偽装請負だったとしても、すでに周知のとおり現時点では派遣法の直接雇用義務は民事効を持つものではないとされており(これを直接雇用申込みみなしにするという改正法案が審議中ですが施行は3年後)、現実にこれが組合員の仕事に結びつくかどうかのハードルはかなり高く、それやこれやを考えるとどうもオリエンタルランドを相手にことを構えるという作戦はあまり適切ではなかったのではないかという感はあります。
ということで、やはりやるなら現に組合員を雇用している請負会社に対してもうすこしなんとかならないものかという地道な交渉ではないかという気はします。もちろん有期なので、雇用の継続は難しかろうと思いますが、しかし何らかの金銭給付とかは交渉次第ではないかとも思うからです。というか、実はそんなこととっくにやっているけれど現実問題として請負会社に支払能力がなく、しかたなくオリエンタルランドに向かうしかなかったという事情かもしれませんが。
あとはまあ具体的な仕事の内容がわからないので雑駁な感想ですが、現に東京ディスニーリゾートで相当期間パフォーマンスを演じてきたベテランですから、ふつうに?(直接雇用の)エンターテイナーの募集に応募するという方法はなかったのかな、とも思います。けっこう募集は行われているようですし。もっとも、それはそれで年齢的な難しさとかもあるのでしょうか。基本的に禁止されているわけなので当然ですが一応オーディションの応募資格は年齢については記載がありませんが、現実はどうかという問題は当然あるでしょうから。
いずれにしてもオリエンタルランドは直接雇用に抵抗はないわけですから、この際請負から直接雇用への移行を進めてほしいと思います、と余計なお世話を書いて終わります。