人材サービスの人材育成

きのうの日経から。きのうのエントリでとりあげた記事の続編です。

 八月三十一日、政府の規制改革会議。初めて招かれた派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は、熱心に耳を傾ける委員たちの姿に目を丸くした。派遣対象業種の拡大など規制緩和を目指す会議にとり、反対を唱える組合は“敵役”のはずだった。
 日雇い派遣偽装請負問題で格差拡大に耳目が集まるなか、関根書記長は「潮目が変わった」と実感する。組合側が指摘する問題点の一つは、単純作業に従事する派遣スタッフの多くに能力を向上する機会が与えられないことだ。
 派遣労働者数は二〇〇五年度で過去最高の約二百五十五万人(厚生労働省調べ)。七割強は二十―三十代で「社会の中核を担う世代の能力開発が進まないと国全体の競争力低下につながりかねない」と厚労省も腰を上げた。日本人材派遣協会に委託し、能力開発やキャリア形成に向けた仕組みづくりに乗り出した。
 人材サービス業界の成長は、主に雇用の調整弁を求める企業が支えた。人口減で需要過多が予想される今後は人材供給力が勝敗を左右する。働き手を確保するうえで「成長の実感」をどうもたせるかが一つのカギを握る。
(平成19年9月12日付日本経済新聞朝刊から)

「敵役」ということもないでしょう。派遣ユニオン派遣労働者の地位の向上をめざしているのであれば、規制改革会議はむしろ「同志」に近いはずです。派遣労働を「悪」として排除し、正社員化をめざすという立場の人にとっては、規制改革会議はたしかに「敵役」でしょうが。
で、派遣労働の最大の課題がキャリア形成である、ということはまったく同感で、そのためには派遣業者に派遣社員のキャリア形成に努めるインセンティブを付与することが必要でしょう。具体的には、私は登録型派遣を規制し、常用化を進めることが重要ではないかと思います。