デイトレーダー型

週末の報道から。社会経済生産性本部による毎年の新入社員の「命名」、ことしは「デイトレーダー型」なのだとか。

 生産性本部では、今春の新社会人を「デイトレーダー型」と名づけた。新卒採用市場が回復する中、就職後もネットを活用して銘柄(会社)を物色し続け、売買(転職)を繰り返す恐れがある、という意味を込めたものだ。半年足らずで職場を変えようとする姿はまさにデイトレーダーに重なる。
 彼らにはどんな心理が働いているのか。二年前、新卒採用市場が回復し始めたとき、学生たちは就職氷河期が本当に終わったのか、まだ半信半疑だった。その後、金融機関の大量採用もあり「これは本物」と思い始め、昨秋からは楽勝ムードに。氷河期の新人は会社に「入れてもらった」と弱気だったが、彼らは「入ってあげた」と強気モードだ。
 その中で彼らの心に根付いたのが転職という自衛策。氷河期には待遇アップが望めなかったが、今なら正社員として転職できる。うまくやれそうにない会社なら早めに次の手を打とうという計算。終身雇用世代には軽薄に見えるだろう。
 しかし、それは無理もないことでもある。彼らはもともと会社に多くを期待していないのだから。生産性本部の調査では、「終身雇用の時代ではないので、会社に甘えられない」という問いに「そう思う」「ややそう思う」と答えた新入社員は八六%にのぼった。
 彼らは父親世代がリストラされ、氷河期に就職した先輩たちがボロボロになるまで酷使される姿を見ている。今春、入社直前に会ったある女子学生は「要するにむちゃくちゃ使われるんでしょう」と冷めていた。
(平成19年9月8日付日本経済新聞夕刊から)

短期の取引はリスクも大きいわけですから、大やけどをしなければいいのですがね…特に今後不況が来たりしたら危ないような。もっとも、投資には「損切り」の決断も重要なので、場合によっては思い切りも必要でしょうが。とはいえ、どこに行っても楽な仕事などそうはない、というのは同じことだと思うのですけれど、ね。