自民党マニフェスト

自民党マニフェストも、きょう発表されたようです。同党のサイトにもアップされているのですが、民主党と違ってこちらは内容のコピペができません。とりあえず、ネットユーザーフレンドリーという点では民主党のほうが上のようです。もっとも、民主党のほうもコピペ可能なのは「政策各論」の部分だけなのですが…。
ということで、麻生総裁の会見記事を引用しておきます。

 麻生太郎総裁は31日、党本部で総選挙に向けたわが党の政権公約を発表した。「日本を守る、責任力。」を掲げた同公約は68項目。「安心」「活力」「責任」の3つの分野に分けて具体的な公約を示した。「安心」では3〜5歳児の幼児教育無償化などの子育て支援年長フリーター正規雇用化支援など、国民の暮らしの安心を支えるセーフティネットを中心に24項目。「活力」は20項目を掲げて、今後3年間で40〜60兆円の需要と200万人の雇用を創出することや、10年で家庭の手取りを100万円増やし1人当たり国民所得を世界トップクラスに引き上げることなど経済成長政策を示した。また、「責任」には北朝鮮への断固とした対応をはじめ、無駄遣い撲滅や天下り根絶などの財政、行政など幅広い改革を挙げた。麻生総裁は「訴えたいことは責任力。改めるべきは改め、伸ばすべきは伸ばす。それが公約を貫く考え方だ」と説明。今回の選挙は「政策選択選挙」であると指摘して、「投票日までを日本を考える1カ月間にしていただきたい」「この1カ月間に政策というものを真剣に考えていただきたい」と強調した。
http://www.jimin.jp/sen_syu45/news/09_07/31/210731b.html

全体的な印象としては、やはり与党なので実績を強調しているのと、成長重視の姿勢を鮮明にしているところが目立つように感じます。
きょうちょうど労働力調査の結果も出ましたが、それによると6月の完全失業者は348万人となっています。200万人の雇用創出というのが純増だとしてこの数字にあてはめると完全失業率は2%台前半になる計算になります。これはバブル期およびそれ以前の水準です。まあ、これは政策効果で増えるグロスの数字であって成り行きで減少する分は別なのかもしれませんし、現実には雇用が増えれば労働力も増えるでしょうから、そう単純な計算でもないのでしょうが、いずれにしても意欲的な数字という印象はあります。
また、「家庭の手取りを100万円増やし」というのが売り物のようですが、日本の総世帯数はおそらく5,000万世帯くらいだと思いますので(自信なし)、単純に掛け算すると50兆円で、日本の経済規模からして10年間かければ不可能という数字でもなさそうです。というか、これが名目なのか実質なのかは大問題だと思うのですが、どちらなのでしょう?報道などを見る限りははっきりしないのですが、当然実質だろうという暗黙の了解で話が進んでいるのでしょうか?
それから、この100万円は「平均」ということですが、であればこここそ「分配」の議論、というか、とりあえず見解は示すべきところではないかと思うのですが。平均100万円の可処分所得増によって格差は縮小するのか、あるいは格差は拡大しても全体が底上げされればよしという考え方なのか?どちらをよしとするかは人によって異なるでしょうから、判断材料とするにはそこが明らかであることが望ましいと思います。まあ、これはたしかに経済成長の目標であって、分配はまた別の議論だ、というほうがむしろ筋ではあるかもしれませんし、そのほうが一貫しているといえるのかもしれませんが…。
雇用政策については、現在すでに議論が進み、方向性が出て一部は実現に動き出している内容が多く、それほど目新しいという感じはしませんが、堅実で現実的なものになっています。まあ、今後3年で200万人の雇用が創出されれば、現在の雇用問題の相当部分は解決に向かうでしょうから、これでほぼ十分だろうということなのかもしれません。