連合会長に高木氏?

7月28日のエントリで、次期連合会長に電機連合の古賀伸明氏が内定したというニュースをとりあげましたが(ネタ元は日経新聞だったと思う)、今朝のNHKニュースでは、一転してUIゼンセン同盟の高木剛氏が有力になったと伝えていました。

 連合は、今期限りでの退任を表明した笹森会長の後任を来月の定期大会で決める予定で、7日、会長を含めた役員選挙を告示します。新しい会長について連合内では、これまでのところ草野忠義事務局長が、出身の自動車総連を背景に意欲を示しています。その一方で、候補者の調整にあたっている「役員推薦委員会」の委員の間では、当初、電機連合の古賀伸明委員長を推す意見が出ていましたが、その後の調整で、前回の会長選挙にも立候補した民間最大の産業別労働組合「UIゼンセン同盟」の高木剛会長を推す声が強まっています。会長選挙の立候補の受け付けは、今月21日に締め切られますが、連合内では、草野、高木両氏が選挙で争うことで、組織内にしこりが残る事態を避けるべきだして、候補者の一本化を求める意見が強く、今後、調整が行われる見通しです。(NHKホームページから http://www3.nhk.or.jp/news/2005/09/07/d20050907000019.html

先般の参院選で深刻な集票力低下が心配されている連合が、全国各地で組織内候補が選挙戦を戦っているこの時期に会長人事でもめている場合なのかという気もしないではありませんが、まあこれはこれで重大事項であり、スケジュールも決まっているわけですから仕方ないということでしょうか。レームダックになった笹森現会長が選挙応援に奔走している姿がいささか気の毒に見えてしまいます。
それにしても、古賀氏は電機連合のさまざまな先進的取り組みを推進してきた人だけに、大いに期待するところがあったので、残念な気がします(高木氏が悪いというわけではなく、UIゼンセン同盟の組織化努力などの取り組みも高く評価するところですが)。やはり、電機連合は先進的すぎて旧態依然の公務員労組などの抵抗があったのでしょうか。あるいは、古賀氏自身が、鉄鋼労連の鷲尾氏が連合会長就任にあたって「ウィングを広げすぎ」て主体性を失ったことの二の舞になりかねないとして身を引いたのでしょうか。そういう意味では、時あたかも郵政民営化で職員の雇用や労働条件が俎上に上ってるときでもあり、自動車総連電機連合同様、かつては行政改革推進の旗をしきりに振っていた金属労協傘下の組織ですから、やはり公務員労組などの支持は得られにくいでしょう。
いっぽう、組織の結束を重視する連合としては、前回の会長選挙に笹森現会長に対抗して出馬した高木氏には抵抗感もあるのではないかと思いますが、高木氏は実績面では文句なしでしょうし、UIゼンセン同盟組織力もかなり強力(しかし、前回参院選では組織内候補が落選してはいますが)なので、話し合いで決めるのであればやはり最有力ということなのでしょうか。
UIゼンセン同盟は流通業、サービス業などの新しい分野をカバーしていますし、非典型雇用の組織化などにも熱心に取り組んで成果をあげていますから、そういう意味では高木氏はこれからのリーダーにふさわしいといえるかもしれません。