消防団

anhedoniaさんから、ご質問のTBをいただきました。

ところで、労務屋さんは、社員が消防団員であることについて、どのような意見をお持ちなのだろうか?「労務屋の労働雑感」で触れていただけると有り難いのだが・・・。

「労働雑感」で、とのことでしたが、ここでご容赦ください。それから、あまりウラを取ってはいないので、間違いがあるかもしれません。あわせてご諒承を。
さてご質問は具体的には2点のようです。

 社員で地域の消防団に入団をしている者がいます。
 昨日その地域で火事があり、消火活動のため会社を欠勤しました。この場合会社としてはどの様な扱いをするのがよいでしょうか?

実践的には年次有給休暇がいちばんいいと思います。
年次有給休暇を使えない、使いたくないという場合は、労使で協議して決めればいいのではないでしょうか。現実に会社では仕事をしていないわけですし、小額ですが消防団活動には報酬も出る(もっとも、一般団員だと年数万円、出動1回数千円というレベルのようですが←自治体によって違うらしい)ので、全額有給とまでする必要はないように思います。いっぽう、消防団活動には公共性があること、企業も受益していると考えられることなどから、たとえば賞与の減額といったペナルティ付きの欠勤扱いというのも好ましくないでしょう。その間のどこかで労使で決めればいいのであり、大切なことは内容よりも労使できちんと話し合って決めてルールにする(今後も同じケースは同じ取り扱いとする)ことだろうと思います。
もうひとつは、

JR西日本福知山線の脱線)事故を起こした運転士の直前の睡眠時間が僅かだったとこと指摘されている。
 さて、もし、この運転士が消防団員であり、前夜に火災出動しており、ほとんど睡眠を取ることが出来ずに勤務していたとしたらどうだろか?…
 多分、運転士で消防団員という人はいないだろうと思うが、トラックやタクシーの運転士で消防団員の人はいる。その他にも看護師や介護士など直接命に関わる厳しい仕事をしながら消防団活動している人もいる。

これは、きわめて高度な安全を要求される職務については、消防団に限らず兼職を禁止する必要があるだろうと思います。きめこまかく管理すれば両立は不可能ではないかもしれませんが、禁止してしまうのが実用的でしょう。以前、兼業禁止規定があるにもかかわらずアルバイトをして睡眠不足になったトラック運転手が高速道路で事故を起こしたケースがありましたが、禁止していてもそうなのですから、あまり詳細な管理はできないと考えたほうがいいでしょう。