全社員の3分の1が希望退職

JTが実施した希望退職募集に、予想を大幅に上回り、全社員の3分の1もの多数の応募が集まったそうです。

 JTは17日、2004年度中に行った希望退職者の募集に、全社員の約3分の1にあたる5796人が応じたと発表した。
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 JTはたばこ需要の減少や、海外ブランド「マールボロ」の受託生産の中止などに伴い、3月末で全国18のたばこ工場のうち8工場を閉鎖する。このため閉鎖工場の従業員や、40歳以上59歳以下で勤続15年以上の社員あわせて1万2000人を対象に希望退職を募っていた。JTは当初は3500人程度の応募を想定していたが、退職者には平均3000万円の退職金が上積みされることなどから応募者が予想を大きく上回った。希望退職に応じたうち1232人は管理職で、年代別では50歳以上が7割を占めた。
  
Yomiuri On-Line @Money経済ニュース「たばこに未来ない?JT希望退職に社員の3分の1応募」
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/ynews/20050217i517.htm

だいぶ改善してきたとはいえ、まだまだ中高年の再就職は厳しい(とりわけ地方では)ことを考えると、JTとしてはいかに「たばこに未来ない?」とは云っても、まさか「全社員の3分の1」までいくとまでは思っていなかったのでしょう。しかし、考えようによっては当然の結果という感じもします。
ポイントは、「平均3,000万円の上積み退職金」にあります。JTの中高年ですから、賃金水準はかなり高いでしょうが、月給60万円としても50ヶ月分に相当する金額です。希望退職の割増退職金に「相場」があるのかどうか知りませんが、数年前に電機各社が希望退職をやったときには、たしか「最高48ヶ月」という例が多かったと記憶しています。それでも割増退職金としては最高に近い水準だったはずで、労組サイドからも「最高48ヶ月(=4年)分を取れれば」というような発言があったように思います。
今回のJTの場合は、「平均」で50ヶ月なのですから、当然最高はそれよりさらに高いはずで、破格の高額というべきでしょう。これに加えて通常の退職金(これがまた高いはず)も出るわけで、とりわけ閉鎖される地方の工場の社員などは、「この際、早めに引退するか」と思っても不思議ではありません。
JTは特損を積み増して、全員の希望退職に応じるということですから、一気に効率化が進んで望外の改善かもしれません。