鶴光太郎『AIの経済学』

 慶応の鶴光太郎先生から、最近著『AIの経済学ー「予測機能」をどう使いこなすか』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

AIの経済学 「予測機能」をどう使いこなすか

AIの経済学 「予測機能」をどう使いこなすか

 雇用への影響をはじめ、なにかとセンセーショナルに論じられがちなAIについて、経済学の観点から現在わかっていること、予測できそうなことをコンパクトにまとめた本です。雇用への影響は『産政研フォーラム』春号に登場された二人の経済学者と同様に代替的・補完的という論点を紹介し、まだはっきりしないものの騒がれているほどのものにはならないだろうという見解のようです。続いて教育、企業経営、産業、公共政策などへの影響が述べられ、昨今のコロナ禍での応用にも触れられたあと、今後求められる経済政策やスキル、能力、人材育成について論じられています。AIをめぐる議論の混乱が整理できる有益な本だと思われます。当然ながら「AIの時代にはジョブ型雇用」とかいう妙な話は出てきません(笑)