平成29年版労働経済白書

厚生労働省の安達佳弘さんから、『平成29年版労働経済の分析(労働経済白書)』をお送りいただきました。ありがとうございます。
例によってまだ書店には並んでいないようですが、厚生労働省のウェブサイトで全文を読むことができます。報道発表はこちらになります
今回の第2章は「イノベーション」と「ワークライフバランス」の2本立てになっています。特にイノベーションの方は(本文中でも言及があるとおり)主観的な評価にもとづく部分も多く、分析も難しいのではないかと思われますので、なかなかに野心的な取り組みだと思います。まあ個別にみれば賃金についてはポリシーだけでなく水準も加味して考えなければあまり意味はないんじゃないかとか、元ネタでは統計的に有意でないとされている結果まで担ぎ出したりとか、いろいろ苦労してるなあという印象もありますが…。それだけイノベーションは重要だということでしょう。ワークライフバランスについてもそれなりに実感にあう分析だとは思うのですが、人事管理への応用となると、とりわけやはり働く人の意識という面を中心にそれなりにまだ難しいものはありそうです。
それよりなにより、ちょうど今選挙になっているわけですが、第1章で分析されている労働市場の現状の良好さが印象に残りました。まあいろいろな意見や感想はあるのでしょうが、とりあえず労働市場という面では現政権は十分に健闘しているように思います。