厚労省の残業が減少

例年フォローしております霞が関国家公務員労組共闘会議による中央省庁の残業時間調査の結果が本年も発表されました。今朝の日経から。

 東京・霞が関の中央省庁で働く国家公務員の2010年の平均残業時間が月35.1時間だったことが21日、労働組合で構成する「霞が関国家公務員労組共闘会議」のアンケート結果でわかった。前年より2.3時間増え4年ぶりに増加。同会議は「政権交代で法改正が増えた影響ではないか」とみている。
 調査は今年3月、同会議に加わる22組合(組合員数計約1万人)のうち、12組合2502人分を集計した。中央省庁で働く一般職(約3万4千人)の約7%に当たる。
 労組別では旧労働省の67.9時間が最多。次いで旧厚生省の58.1時間で厚生労働省の2労組が6年連続で1、2位を占めた。経済産業省が50.5時間、旧運輸省が47.8時間と続いた。
 旧労働省と旧厚生省は政権交代があった前年(09年)のそれぞれ73.4時間、71.7時間から大幅に減った。同会議は「長妻昭厚労相が交代して業務が簡略化したことや、時間短縮に取り組んだためではないか」と指摘している。
平成23年9月22日付日本経済新聞朝刊から)

ちなみに昨年までのエントリはこちらです。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20100804#p1
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20090703
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20080717
国労の限られた構成員対象の調査なのでその限りで評価すべきものではありますが、昨年はどんな言われ方をしていたかというと、

…前年度より増えたのは厚労省で、旧労働省(73・4時間)系、旧厚生省(71・7時間)系で1、2位。3位の経産省(45・9時間)を大きく上回った。
 政権交代が残業に影響したか、という問いには、「変わらない」(72・3%)が最多。ただ、厚労省の組合員は52・9%が「増えた」と答え、理由として政務三役への対応を挙げた人が75・6%に上った。
 自由記述欄には「大臣の指示が細かくて、多すぎる」「職員は駒ではなく人だ」などの意見が寄せられたという。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20100804#p1

旧労働が5.5時間、旧厚生に到っては13.6時間の大幅減で、平均が増加、3位指定席の経産省も微増となっているのを見ても、厚労省の減少は際立っています。ということでご指摘のとおり長妻元大臣でしょうねえ。政治主導・脱官僚だったら官僚の仕事が減らないと話が合わないわけですが、まあ長妻氏にとっては官僚を手足のように使うことが政治主導だったのでしょう。不幸だったのは手足はよく働いたけれどアタマが空っぽでしたというあたりかなあ。で、細川前大臣は官僚の手足だけでなく頭も再活用したところ残業が減った(しかも仕事は進んでいる…とりあえず労働分野はそう見えますが厚生分野がどうかはよくわかりません)ということで、なにやってんでしょうかねえ民主党
なお震災のあった今年は残業も大幅増になっていることは容易に想像がつくわけで、まあ厚労省は中でも大変だったのではないかと思うのでワンツーは譲らないかもしれませんが、いや経産省が逆転する可能性もあるかなあ。文科省あたりも上位に出てきそうです。それにしてもこれについても政権がもう少しマシな対応をしていれば官僚諸氏の負担もずいぶん違ったのではないかと思うことしきり。いや民主党はこれも官庁のせいにしそうだ、などと言うのは失礼というものでしょうか。まあなにせ初めての話なのでこの程度はあきらめないといけないのかなあ…いやはや。