高齢・障害者雇用支援機構理事長公募に応募42人

厚生労働省のウェブサイトで、2月2日に締め切られた独立行政法人役員の公募への応募人数が公開されています。
今回募集されたのは8法人の8人(うち2人は非常勤)で、7法人は旧厚生省関係(さらにうち6法人は医療系の研究施設らしい)、旧労働省関係は1法人にとどまっています。ポストは常勤の6人はすべて理事長、残りは非常勤の監事です。
http://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/oubojoukyou.pdf
さて応募総数は76人なのですが、うち42人までが旧労働省関連の独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構理事長への応募となっています。これに対し旧厚生系は独立行政法人国立健康・栄養研究所の監事(非常勤)に15人の応募がある以外は軒並み一桁で、国立精神・神経医療研究センター理事長に至っては1人しか応募がありません。まあ、募集要領をみると医療系研究機関は事実上相当の専門性と実績を有する医師であることを要するようなので、なかなか該当する人もいない、というか該当する人にとってはそれほど魅力的なポストではないのかもしれません。
それに対して高齢障害機構理事長は「大規模組織における上位の管理経験を有する者」などといった要件が並んでいるだけなので、比較的応募のハードルは低いのかもしれません(いや「人格高潔で高い倫理観を有する」なんてのもありますが)。しかしどんな人が応募しているのか、最終的にどんな選考結果になるかと並んで興味深いものがあります。まあ任命された人だけしか公開はされないのでしょうが。
いっぽう、公募した結果があまり思わしい人がいませんでしたというのも組織としては困るでしょう。その場合は内部昇格のオプションがあるのか、あるいは組織サイドで「本命」の候補がいて、手続き上公募の形をとって応募させているのか、まあ建前としては問題でしょうが、しかしこれだけの組織の事務局トップですから、本当に公募だけで大丈夫なのかと、まあこれは私が心配することではないでしょうが…。
それにしても、厚労省の資料によると応募者のうち公務員OBは独立行政法人国立健康・栄養研究所監事(非常勤)に応募した1人だけで(まあ公務員OBの定義にもよりましょうが)、高齢障害機構も公務員OBの応募はゼロとなっています。それに対し、現在の高齢障害機構理事長は元厚生労働事務次官の戸苅利和氏ですし、たしかその前の理事長も元労働時間の征矢紀臣氏と、大物OBが就任していていますので、様変わりではあります。とはいえ、仕事を考えればやはりそれなりの官僚幹部OBが(もちろん人物本位で)就任するのはむしろ合理的なような気もしなくはありません(給与や退職金が高いという話は一応別問題として)。募集の際には、多様な人材を確保するため官公庁などとの折衝能力は不問と明示しているようですが、しかしここまで官僚OBを排除して本当にいいのか、という感もなくはなく。まあ過渡期の現象なのでしょうか。