復興相、舌禍で辞任

 あらかじめお断りしておきますが低次元な居酒屋政談ネタです。連日ネタですみません(笑)
 さて松本復興相が舌禍事件で辞任の意向だそうですが、発言の要旨が今朝の日経新聞に掲載されていました。

 問題となった松本龍復興担当相の主な発言の要旨は次の通り。
 ▽3日、岩手県庁で達増拓也知事に
 (私は)九州の人間だから東北の何市がどこの県か分からない。
 あれが欲しいこれが欲しいはだめだぞ。知恵を出したところは助けるけど、出さないやつは助けない。それぐらいの気持ちを持って。
 ▽3日、宮城県庁で村井嘉浩知事に
 政府に甘えるところは甘えていい。こっちも突き放すところは突き放す。そのくらいの覚悟でやっていこう。
 漁港を集約するのは、県で意見集約をちゃんとやれ。やらなかったらこっちも何もしない。知らんぞ。
 (応接室で待たされたことについて)お客さんが来るときは、自分が入ってから呼べ。(陸上自衛隊出身の知事に)自衛隊上がりで、あんたは分かっているだろうけど。今の部分はオフレコな。書いた社はこれで終わりだから。
平成23年7月5日付日本経済新聞朝刊から)

いや私以前仕事で自衛隊をお訪ねしたことがあるんですがその時は応接室でお待ちしたなあ。そもそも「書いた社はこれで終わりだから」なんて言ったらマスコミがどう反応するかは容易に想像できるわけで、そんなことすら見当がつかない時点で政治家としてどうなのかとは思いますが、この部分を除けば、あとは口の利き方の問題ではありますね。いや地元から陳情に出てきた人に説教するような調子でやっちゃいかんでしょうという話で。
ということで、ちょっと書き直してみます。

 私は九州の出身なもので、東北の何市がどこの県かとか、まだぱっとはわからないところもありますが、勉強しながらやっていくのでいろいろ教えてください。
 災害後で大変なのはわかりますが、何でもあれこれ求めるというのではなくて、優先順位とかもしっかり考えるようにお願いします。きちんと優先順位が決まってくればしっかり支援する、決められないところはまず決めてから支援する。そのくらいの気持ちがほしいですね。

 国と県、市町村の役割を整理しながらやりましょう。政府はやるべきことをきちんとやるし、県や市町村に任せるべきは任せますから、そこは責任を持ってもらう。お互いそのくらいの覚悟でやっていきたいですね。
 漁港の集約については、まずは県で意見集約がしっかりできるとありがたいですね。関係者の意見がまとまっていない状況では、国としても動き方が難しいですから。もちろん意見集約ができれば、国もしっかり対応しますので。

こういう意味で言ったのかどうかはわからないのですが、好意的に解釈して普通の言い方にすればこんな感じかなと。優しいなあ僕(笑)。もちろんそれぞれの見解には議論があり得るでしょうが、少なくともこれなら辞める辞めないという話にはなりませんよねえ。
知事は「国と地方は主従ではない」と発言したそうですが、まあわが国の行政の実態として国が地方を指導する、というシチュエーションも多いことは事実でしょう(それでいいと言うつもりはないので為念)。とはいえさあ支援してやるぞ指導してやるぞ感謝しろという態度ではこの場合顰蹙を買うことは当然なわけで、そういう人には復興相は務まりませんということで辞任でよろしかったのではないでしょうか。
「お客さんが来るときは、自分が入ってから呼べ」というのも同じこと、とりあえずビジネスでは来客が先に受付から応接室に案内されて、しかる後に受付から応接者に連絡が行くというのはごく当たり前の手順です。それがこういう発言になるのは、並の客ならいざしらず大臣が行くんだから知事が玄関で出迎えるのが当然だ待たせるとは何事かという発想だろうと思いますし、それが見え見えだから顰蹙を買ったのでしょう。
ということで、口の利き方ひとつで人間のモチベーションに大差がつくというのは人事管理の常識ですがかねての長妻氏といい今回の松本氏といい民主党の大臣にはそんなこともご存知ない方もいるということで、まあほかの方々は立派な政治家なのだろうとは思いますが。しかし首相があのていたらくではさもありなんという気もしなくはありません。くわばら、くわばら。