ホンダ・日産が管理職の報酬カット解除

業績回復にメドがたったとのことで、まことにご同慶です。

 ホンダは管理職を対象とする報酬カットを6月で解除する。新車販売が激減した2009年2月から月額報酬の5%程度をカットしていたが、業績回復にメドがついたため。日産自動車も同様に5月から解除する。三菱自動車富士重工業は減額幅を半分に縮小する。自動車販売が最悪期を脱したため、社員の士気向上を優先する。
 ホンダは年俸制を採用する管理職を対象に、月額報酬の一部をカットしていた。10年3月期の連結業績で純利益が2684億円と前の期と比べほぼ倍増。業績回復にメドがたったと判断した。
 日産は09年3月から国内関連会社を含む管理職の給与を一律5%カットしていた。10年3月期の連結最終損益が黒字に転換したため、5月の支払い分からこれを解除。10%カットしていた役員報酬も元に戻す。
(平成22年5月14日付日本経済新聞朝刊から)

1990年代後半には、やはり管理職層を中心に「成果主義」を導入することで意欲を高めつつ人件費の適正化をはかろうという動きがさかんになり、多くの場合は人件費は抑制できたものの意欲はむしろ減退し、他にも様々な弊害が起こって全体としては失敗に終わりました(もちろん成功した事例もあるでしょうが)。
実際、そもそも賃金というのは上がってもそれほど意欲は高まらないのに対し、下がったときの意欲の減退は甚だしいわけです。成果主義だと、それに「成績が悪かったから」というのがつくわけですから、多大な意欲の減退を招くことは当然でしょう。
それを考えると、どうしても賃金を下げなければならないのであれば、この記事のように一律下げる、それもできれば可能になれば元に戻す、というやり方が、結局は多くの人の納得を得られやすいということではないでしょうか。