トップの報酬1億円

asahi.comから。なんか、きのうのNHKニュースではベスト10の表を作って喜んでおりましたな。

 3月期決算企業の株主総会が18日、本格化した。今年から有価証券報告書で開示が義務化された、役員報酬が1億円を超える「1億円プレーヤー」。総会や報告書でこの日開示されたのは2けたにのぼった。グローバルな人材獲得競争が激化し、日本企業の役員報酬も「欧米化」しつつあるが、株主らの間では賛否が割れている。
 「透明な開示があって、初めて役員の人事案に株主は賛否を表明できる。それを明らかにしていただきたい」
 18日、東京都内であったソニー株主総会NPO「株主オンブズマン」代表の森岡孝二・関西大教授が質問すると、会場から拍手がわいた。
 会社側はこれを受けて、代表執行役3人の報酬額を開示した。日本人では、中鉢良治副会長と大根田伸行副社長(退職金含む)が1億円を突破した。最高額は、ハワード・ストリンガー会長兼社長の約4億1千万円だった。同時に受け取る50万株のストックオプション(自社株購入権)の価値を一定条件で試算すると、さらに約4億円分の収入だ。
 森岡氏らは2002年から総会で個別報酬開示を求める株主提案をしたが、毎回否決されてきた。有価証券報告書の提出を前にした今回の開示は評価しつつも、「ストリンガー氏の報酬は驚くほど高い」と不満げだ。

 日本の株主の間には高額報酬へのアレルギーも根強く、受け止めは分かれる。会長と社長が1億円を超えた住友金属工業。大阪で開かれた株主総会の会場では「役員として大きな責任を負っているのだから正当な報酬だ」(男性株主)との声がある一方、「業績が落ち込んで配当も減っているのに、報酬が1億円以上なんてありえへん」(女性株主)との意見も聞かれた。

ありえませんか?まあ、たしかに我が身に引き較べればまことにうらやましい高額ですが(笑)、住友金属といえば連結売上高が1兆円を優に超えていて、たしかに21年度(22年3月期)は赤字決算でしたが、これは経営者に帰責しにくい環境要因が大きく、20年度は2,000億円以上の経常利益を出しています。その経営トップなのですから、それなりに評価されるべきと思います、というか私には絶対に務まりませんし。私は「役員として大きな責任を負っているのだから正当な報酬だ」という意見を支持します。どの程度がいいのかと言われると確信があるわけではないので、なんとなくですけどね。
ソニーとなれば、連結売上高が10兆円を超えるような(やはり21年度はダメでしたが)規模で、しかも先進企業としてブランドの評価も高い(まあ、かつてに較べれば落ちたかもしれませんが)わけで、その外国人トップの報酬が4億1千万円+ストックオプションというのが「驚くほど高い」とはいいにくいように思います。

  • まあ、しょせん株主の利益には無関心かつ冷淡な私としては「労働組合がそれでいいならいいじゃない」くらいの感想しかないのではありますが。ソニーですから、4億1千万円でも組合員平均の50倍くらいですよね?これが米国のように経営陣が軒並み200倍だの500倍だのの高額報酬を得るとなればそれは破廉恥だと思いますが。ということで、私にとってはこれな「そんなに不満なら、あなたがソニーの社長に招かれるような人になればいいでしょ」という程度の問題です。

それにしても、朝日さんはいつのまに株主=資本家の利益を代表するようになったのでしょう?サラリーマン経営者の報酬を削って資本家への配当を増やせという記事ですよねこれは?まあ、森岡氏(というか株主オンブズマン)の場合は企業批判が目的で総会屋まがいの売却益や配当を得ることを直接の目的としない株主なので朝日さんにはお仲間なのかもしれませんが。
いずれにしても、経営者の報酬が高すぎる、下げろという議論をするよりは、ガッツリ課税して再分配しようという議論をしたほうがいいと私などは思います。ということで一応上のエントリとも関係がつきました(笑)。