いすゞ、正社員のウェイジ&ワークシェアリングに踏み込む

もうひとつ、いすゞ自動車については、きのうの朝刊でこんな報道もありました。

 いすゞ自動車は販売不振を受け、国内に約八千人いる全社員を対象に、賃金を一時カットする方針を固めた。まず二〇〇九年一月から役員報酬を三割前後削減。一般社員も同四月以降に基準内賃金を減らす。社員一人当たりの勤務時間を調整するワークシェアリングの導入も検討、人件費の抑制を急ぐ。トヨタ自動車が管理職の賞与カットを決めているが対象を全社員の賃金に広げるのは今回の景気後退局面では異例だ。
 一般社員の賃金カットは年明けにも労働組合に提案する。労使で妥結すれば、早ければ〇九年四月から一時的措置として実施する。削減率は数%になる模様。年俸制を採用している管理職(部長級以上)も来春から年俸を一割前後カットする。いずれも期間は未定だが長ければ一年以上になる可能性がある。
 いすゞの基準内賃金は組合員平均で約三十万円。単純計算すると一人当たり年間十数万―二十万円前後、全社で同十億―二十億円程度の人件費削減となる。ワークシェアリングは工場を中心に導入する方針で、勤務シフトを見直すなどで一人当たりの労働時間を減らす。
 いすゞは経営危機に陥った〇二年から三年間、全社員の賃金を一時削減していた。削減幅は一般社員が七%だった。その後、小型トラックを中心とする世界展開が奏功して業績が回復。〇八年三月期は連結営業利益が過去最高となったが、今期は秋以降に金融危機の影響で販売が激減している。
 業績低迷で十一月には千四百人いた非正規社員の全員削減を決めた。一部の反発を受けて、契約期間中の途中解約は二十四日に撤回したが、非正規社員の削減と並行して正社員の賃金カットなどを検討していた。
(平成20年12月25日付日本経済新聞朝刊から)

非正規雇用をほぼゼロにして、さらに雇用が過剰ということで、いよいよワーク&ウェイジ・シェアリングに踏み切るということのようです。希望退職は行わないということは、いずれは需要が回復し、生産が増加したときに備えて、技能の流出を避け、戦力を温存しようというところでしょうか。ということは、正社員と非正規雇用に対する雇用調整の手法の違いは、技能水準の違いを反映しているという見方も可能なのかもしれません。