5分ルール

今回の診療報酬改定で導入されたいわゆる「5分ルール」の評判が悪いようです。

 病院で治療を受けたり薬を処方してもらったりする時にかかる診療報酬が四月から二年ぶりに改定された。患者の負担増や医療機関の減収につながる場合もあり、医療現場からはさまざまな戸惑いや不信の声が聞かれる。
 今回の報酬改定で医療機関の戸惑いが大きいのは、患者に対し問診や療養の注意をする際の「外来管理加算」で、「おおむね五分以上の診察」という要件が新設されたことだ。
 これまでは、病床二百床未満の病院や診療所は、診察と投薬のみの再診患者に、診察の長さに関係なく一回五百二十円の外来管理加算を請求できた。それが「外来管理加算は丁寧な説明への報酬」(厚生労働省)という理由で、「診察時間がおおむね五分以上」(同)の場合にしか請求できなくなった。
 「漫然と聴診器を当てて薬を出すだけの医療を改善するには、いいこと」と医師、患者双方から評価する声もあるが、愛知県春日井市の竹内医院(内科・小児科)の竹内達生院長はこう反論する。
 「患者には、事細かく療養上の注意をしてほしい人もいれば、嫌う人もいる。患者が注意を受け入れてくれるように、説明の時間を調節するのも必要。時間のかかる医療の方が良い医療といえるだろうか。予約患者のカルテに前日に目を通し、診察時間を減らしている努力も考慮されないのは不合理」
 愛知県保険医協会が県内の医療機関を対象に三月に実施した調査では、これまで外来管理加算を請求してきた約36%が対象外となり「医療機関の採算が悪化し、医療崩壊が進む」と懸念する。
(平成20年5月15日付東京新聞朝刊から)

ふーむ、5分で520円ということは1時間で最大6,240円ですか…というのはともかくとして(実際には10分でも15分でも520円だからそんなにはならない)、とりあえず報酬を時間割で考えることが難しい仕事もある、ということで。