職場のストレス、「要求・裁量・支援」で測定

きのうの夕刊から、下光輝一東京医科大学教授(公衆衛生学)のインタビュー記事です。

 ――ストレスが大きいのはどのような人ですか。
 「職業上のストレス要因は『仕事の要求度』と『裁量の自由度』という二つの尺度でとらえ、これに『社会的支援』を併せて評価する手法が主流です。要求度とは仕事の量・質がどの程度の心理的・身体的負担になっているか。裁量は仕事の方針を自分で決め、技能を生かせるかどうか。社会的支援とは家族や同僚の助言や励ましがどの程度あるかです」
 「要求度が高く裁量の幅が狭いとストレス要因が最も大きく、脳血管疾患などの疾病リスクが高くなる。企業の中間管理職らが該当します。一方、経営者は要求度が高いものの裁量も広いので、ストレスはさほどではない。ただし、社会的支援がなくなるとストレスや疾病リスクが急に高まることも分かっています」
 ――ストレスを自己診断できますか。
 「私たち旧労働省研究班が一九九九年度に、簡単な質問票に答えるとストレスを評価できる手法を開発しました。五十七項目の質問からなり、ストレス要因やその結果起きる心身の反応が要注意水準にあるかどうかを判定します。調査票や評価法はホームページ(http://www.tokyo-med.ac.jp/ph/ts/)から入手できます」
 「勧めているのは調査票の一部を活用し、部署ごとに『仕事のストレス判定図』を作ることです。事業所や部・課ごとに平均点を算出し、全国平均と比べると、その部署の健康リスクを判定できる仕組みです」
 「例えばある職場で裁量度が低いと判定されたら、プロジェクト方式を導入して部下の権限を増すなど、改善に役立てていく。働き手全員が参加して改善点を議論すれば、職場のストレス低減に役立ちます」
(平成19年12月19日付日本経済新聞夕刊から)

なるほど、『仕事の要求度』『裁量の自由度』『社会的支援』ですか。うなずかされる話です。で、仕事を求めるのも裁量を与えるのも基本は上司ですし、職場での支援も上司が大きな役割を持つわけで、調査票などを見てみても、やはり「上司」のウェートは大変多いようです。管理職、特に中間管理職の重要性は明らかで、でもその中間管理職のストレスが一番高いんですよねぇ。中間管理職の重要性を再認識し、人材の確保、梃入れが重要ということでしょう。
このストレス評価、比較的簡単にできそうです。そのうちやってみよう(笑)。できれば、フォームで回答できて、入力が終わったらワンクリックで評価が表示されるようにしてくれるとありがたいのですが(笑)。いや、ホントそれって普及のためにはとても大切なことだと思いますけど。