幹部育成の副作用

もうひとつ。

 経営再建中の三洋電機。四年前に始めた「次世代経営者候補制度」がいつのまにか姿を消した。会社の未来を担う人材を公募、商社などから百人近くを迎え入れた。しかし生え抜き組から不満が噴出。選ばれた側も重圧に負け「半数近くが辞めていった」(同社OB)。一握りの「玉」に磨きをかけるはずが、その他大勢の意欲が冷え込む副作用の方が強かった。
(平成19年12月6日付日本経済新聞朝刊から)

それはそうでしょう。幹部候補生は放っておいてもモラル高く働くわけで、「あなたは幹部候補生ではない」と言われた人の意欲をどう高めるかの方がはるかに難しいのですから。