進展する継続雇用

きのうの日経新聞からです。

 六十歳以降の雇用確保が事業主に義務付けられた二〇〇六年四月以降、九八%の企業が再雇用、定年の引き上げなどの措置を講じていることが、労働政策研究・研修機構の調査で分かった。再雇用された人の担当業務や処遇を巡っては「管理職経験者の扱いが難しい」などの声が上がった。
…調査では、定年後の再雇用制度を導入している企業が九一・三%に上った。勤務延長制度(七・七%)や定年の引き上げ(二・四%)などを取り入れた企業と合わせると九八・四%が、何らかの対策を取っていた。
 義務化前の〇五年十一月に民間調査会社が実施した同様の調査では、対策を取っていた企業は六六・八%。その後の一年で、中小企業でも制度の整備が進んだとみられる。
 今回の調査で継続雇用をする対象者について質問したところ、七二・二%が「健康や働く意欲、勤務態度などで基準に適合する者」と条件付きで、「希望者全員」は二四・六%にとどまった。
 高年齢社員の処遇で困る点(複数回答)では「担当する仕事の確保が難しい」(三九・六%)、「管理職経験者の扱いが難しい」(三八・九%)、「継続雇用後の処遇の決定が難しい」(二四・五%)、「高齢社員を活用するノウハウがない」(一九・一%)などが上位を占めた。
 同機構は「制度はできあがったが、今後は再雇用した人の活用方法や、現役社員との関係、勤務形態を整備していく必要がある」と指摘している。
(平成19年5月28日付日本経済新聞朝刊から)

希望者全員が4分の1近いのは意外な感じですが、まあ基準を設けるにしてもどうしても継続雇用できないごく一握りの人を除外するというのが大勢でしょうから、だったら希望者全員でもたいして変わらないのかもしれません。
管理職経験者の処遇はたしかに難しいでしょう。限られた貴重な資源である管理職ポストは後進に譲ってもらうことがぜひとも必要でしょうが、それではその後どんな仕事をしてもらうかといえば、なんでもいいというわけにはいかない。そこはやはり、それなりの仕事を…ということで頭を悩ます管理職、人事担当者が多いのでしょう。