自民党、経団連に賃上げを要請

自民党経団連との懇談会で今春闘での賃上げを要請したそうです。

 日本経団連自民党は十三日朝、首脳懇談会を開いた。自民党中川秀直幹事長は「今年は社員や下請けが成長を実感できる経済を実現できるよう協力をお願いしたい」と述べ、大手企業に賃上げを含む従業員への還元拡大を求めた。
(平成19年2月13日付日本経済新聞夕刊から)

「成長を実感できる経済」ですか…。ただ、どれほど成長しているかといえば、成長率は2%くらいのものなので、「景気回復の実感が薄い」というのはむしろ当然だという指摘ももっともなのではないかと思います。まあ、企業業績が好調なのに賃上げは少ないじゃないか、というのも実感ではあるでしょうが、いっぽうで賞与はこのところ3%とか5%とか伸びているわけですし、時間外労働(残業代)だって増えているわけですし。失業率も5.5%から4.0%にまで低下して、それだけ賃金ゼロだった人が賃金を得られるようになっているわけですし。
まあ、今春闘がどうかは別として、さらに景気が回復し、労働力需給も一段と逼迫すれば、自然な成り行きとして賃金も上がるでしょう。そうなれば「実感できる」というという感覚もあるのかもしれません。
オイルショック時の狂乱物価のように、政策的に賃金をコントロールする必要がある場面も当然あるでしょうが、現状がそうかといえば必ずしもそうではないのではないかという気がします。まあ、自民党としては、今春闘である程度の賃上げがあるだろうという読みのもとに、参院選を控え「政治主導で賃上げを実現させた」とアピールしようという考えでしょうか。たしかに、企業負担でバラマキができるわけですから、ある意味政治家にとってはこたえられない話かもしれません。