思い切った正社員化

 昨日の日経新聞に、またしても非典型雇用の正社員化の記事が掲載されていました。

 アパレル大手が販売職の雇用形態を契約社員から正社員に切り替え始めた。婦人服のサンエー・インターナショナルでは9月から契約社員約1000人が正社員になった。ワールドも販売代行子会社の契約社員約6000人を同子会社の正社員にした。都市部を中心に商業施設の新設が相次ぎ、出店するアパレル各社は販売職の人材確保に頭を痛めている。安定した雇用形態にすることで既存従業員の定着率を高める。
 サンエーは9月1日付で、全国の百貨店など約1100カ所の店舗で働く販売職の契約社員1006人の雇用契約を正社員に切り替えた。同社の正社員数は八月末時点で管理部門など本部社員が764人、販売職の正社員が1088人と合計1852人だった。今回の雇用契約切り替えで正社員数は5割強増えた。
 同社の販売職の契約社員は、雇用保険や健康保険、休日日数など福利厚生面の待遇は正社員と同等だが、契約期間が1年ごとの更新だった。2007年8月期の年間人件費は正社員が対象の賞与支払い分を中心に約3億4千万円増えるが、人材の定着を優先した。
 ワールドは自社の店舗運営を手掛ける販売代行子会社、ワールドストアパートナーズ(WSP、東京・港)で契約社員約6000人を正社員にした。これに伴いWSPの販売職の従業員約13300人のうち学生アルバイトなどを除く9割が正社員となった。従来は契約期間1年間の時間給だった。正社員化で月給制に移行。育児などの理由で勤務時間を短くしたい社員には時間給で働ける仕組みも取り入れた。
(平成18年10月18日付日本経済新聞朝刊から)

人材の確保、定着、とりわけ優秀な人材の囲い込み、というところが狙いなのでしょうか。それにしても、これだけ大幅な正社員化を行うということは、経営者が経営の先行き、それも中長期的な見通しにかなり自信を持てるようになったということでしょうか。