ところで、成果主義は本当に格差を拡大させるのか?その3

なにかとバタバタしていてブログがたまって仕方ありません(泣)。このエントリは10月30日に書いています。というわけでコメントへのリプライは本文で書かせていただきます。
まずは成果主義と格差に関するコメントへのリプライの続きです。

# ぐう 『そもそも最初のエントリにコメントしたのは、「少なくとも、経済学者である
橘木氏が・・・いささか軽率のそしりを免れないのではないかと思います。
それとも、私がなにか勘違いをしているのでしょうか?」とありましたので、
格差とはまさに「同じ年齢や位置づけの人」の間の差をいうのではないですか、
そのほかの関係に格差の解釈を拡大し、相殺しあっているとしている点に勘違い
の可能性はありませんか?と考えたからです。
橘木先生の弁護をするつもりはありませんが、少々一方的に感じたものですから。

ところで、労務屋さんは「企業内格差を拡大させたとしても、日本全体では格差
拡大が打ち消しあって、企業内の格差拡大ほどの格差拡大にはなっていないので
は」と書かれましたが、どのようなことをお考えなのでしょうか?
たとえば、賃金カーブが相対的に高い会社で賃金が下がった人と、相対的に低い
会社で賃金の上がった人の賃金が以前より近づくことを想定されているのでしょうか?それだと全体としてはやはり格差が拡大するのではと思いますが・・・』

「同じ年齢や位置づけの人」の間の差を議論することもあるでしょうが、橘木氏の本もふくめ、世間で一般的に行われている格差論は「ホリエモンのような大金持ちと、パート3軒掛け持ちして月収20万円の母子家庭」「エンロンの社長とヒスパニックのワーカー」というような、社会全体の格差をとらえたものが主流です。
(もちろん、生涯賃金格差や、その見通しを反映するとされる消費格差、「同じ年齢や位置づけの人」との格差を論じることは、それはそれで意味はあると思います)
後段についてはほぼご見解のとおりです。私は「格差は拡大しない」とは申し上げておりません(というか、たぶん拡大するだろうと申し上げています)。私が申し上げたいのは、個人が感覚的に感じるほどには、社会全体では格差は拡大しないのではないか、ということです。
どうも「本当に格差を拡大させるのか?」というタイトルが「絶対拡大させない」という主張をしているかのような誤解を与えてしまっているようですが、そういうつもりはないのです。