「第二新卒」の転職支援

今朝の日経新聞は、一面トップで人材各社が「第二新卒」の転職支援ビジネスを拡大していると報じていました。「短期間で退職した点を否定的にとらえる声もあるが、基礎的な研修を済ませている利点もあり活用する企業は増えている。企業の採用数拡大で転職しやすいことが若手の転職志向を高め、第二新卒の増加につながっているとの声もある」のだとか。
まあ「基礎的な研修を済ませている利点」なんてのはたいした問題ではなくて、要するに新卒が取りにくくなってきたから比較的若い人を中途入社で、ということでしょう。これは特定の知識や経験を求める中途採用とは異なり、未熟練でも一から企業内で育成しようという、まさに第二「新卒」ということだろうと思います。となると、育成後の投資回収期間の長い、できるだけ若い人が望ましいというのもうなずけます。
いっぽうで、第二新卒の人にしてみれば、3年前と現在ではあきらかに就職環境が異なっている(好転している)わけなので、当時一定の妥協のもとに就職した人が、よりよい転職先を求めるというのもまことに納得のいく話です。
ポイントは、この場合は若い人から転職が決まっていく傾向があるという点で、さらに労働需給が逼迫すれば、第二新卒から20代後半、30代前半へと、内部育成を前提とした採用が拡大していく可能性があります。そこまで景気を持続することができれば、90年代なかば頃に就職活動が不調に終わったいわゆる「高齢フリーター」の問題も解決に近づくでしょう。民間企業、政府・日銀の適切な対応を期待したいものです。