フリーターと新卒「差はない」

週末の新聞記事からひとつ。28日の朝日新聞夕刊によると、多くの中小企業で正社員採用にあたって「フリーターと新卒は差がない」と考えているそうです。

 経済産業省は28日、05年度版「中小企業白書」を発表した。高い失業率が続く若年層と中小企業の関係について、家族的な雰囲気を持つ中小企業が若年者の雇用安定を支える役割を強調する提言を盛り込んだ。若者の定着率が高いと企業業績も向上しているという。
 フリーターを正社員に採用した中小企業の7割以上が「新卒者と差はない」と考えており、半数が「就業意欲や責任感など満足できる」と評価している。アルバイトを正社員に登用する際も、企業規模が小さいほど実力や能力より人柄を重視する傾向があり、若者には働きやすい環境だと指摘している。
(平成18年4月28日朝日新聞夕刊から)

繰り返し紹介していますが、人材育成に取り組む中小企業ほど、成長し、雇用を創出しているという調査結果も出ています。
景気が好調で、新卒採用市場も逼迫する傾向にあります。加えて、若年人口は今後ますます減少するわけですから、フリーターにも正社員就職のチャンスが増えてくるでしょう。大企業に較べて新卒採用がより厳しいであろう中小企業では特に、現時点での能力にこだわらず、人柄のよいフリーターをいち早く採用しようとの動きが出てきていてもまったく不思議ではありません。日本の中小企業の人材育成力にはたいへん大きなものがありますので(まあ、企業にもよるでしょうが)、長期にわたった経済不振で出遅れた若年層の能力形成が、これから進展していくことが期待されるところです。