均等法パブコメ

8月に実施された「今後の男女雇用機会均等対策に関する意見募集」の結果が、厚生労働省のホームページに掲載されました。
ただ、今回は残念ながら(?)、労働契約法制のパブコメのようにトンデモ意見もそのまま掲載されたわけではなく、担当官によって整理分類され、要領よくまとめられた「概要」の公表になっているので、まあ予想どおりという内容で、あまり面白くありません(こらこら)。おそらく、契約法制の時以上に、そのまま掲載するに忍びないトンデモなものが多かったのではないかと想像(あくまで純然たる想像です)するものですが・・・。
というわけで、今回は内容の概要より、「参考2」として付された応募状況のまとめがなかなか面白いものになっています。


http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/dl/p0915-1b.pdfがそれなのですが、全体で651通、うち個人が357通で約6割、残りが団体等となっています。
まず個人からみると、女性からが301通と圧倒的に多くなっているのは、テーマがテーマだけにうなずけるものがあります。いっぽうで、年齢は50代以上が215通と3分の2を占めているのはいささか不自然な感があります。まあ、もともとパブコメを出すほど関心の高い人というのは限られているわけで、この程度の偏りが出るのは当然かもしれません。職業別に見ると民間が141人に対して国家公務員が5人、地方公務員が82人とやはり偏っています。無職が79人にも達しているのも目をひきます。契約法制のときには「学者」というのが数人あったように記憶していますが、今回はなかったのか、その他に含まれているのか・・・いずれにしても契約法制ほど理論的、学説的論点が大きいものではないということでしょうか。
次に団体をみてみると、294団体中225団体までが労働組合で、これは予想される結果ではあるとしても、181団体までもが地方公務員労組だというのはいかにも異様です。自治労主導による組織票が大量に入ったと考えるのが常識的でしょうから、パブコメ全体の政策資料としての価値がかなり損なわれているような印象です。また、女性団体が47団体入っているのは、やはり均等法ならではというところでしょうか。いっぽうで、企業と使用者団体はそれぞれ2団体ずつという淋しさで、これは企業や使用者団体が関心を持っていないということではなく、パブコメそのものに対して醒めた感覚を持っていることの現れとみるべきでしょう。