健闘する「中小春闘」

一昨日発表された連合の中間集計によれば、今年の「中小春闘」はまずまずの成果をあげているようです。

 連合(笹森清会長)は23日、今春闘での中小組合(組合員300人未満)への回答状況をまとめた。22日までに506組合が回答を引き出し、平均賃上げ額は4809円で、昨年実績を365円上回っている。連合は中小・地場組合支援に重点を置いており、今春闘定期昇給制度のない労組に対して、賃金改定要求の目安額5700円を設定。笹森会長は「業績回復分を獲得しており、結果を評価したい」と話した。
(平成17年3月24付毎日新聞大阪朝刊から)

集計には妥結前の一次回答も含まれており、中小の春闘が本格化するのはこれからなので、連合はさらに水準は上がるものと期待しているそうです。まずはご同慶といえましょう。
もっとも、これが格差是正に直結するかどうかは疑問で、大手の場合はベアゼロとはいっても定昇(賃金制度維持)分は取っており、これがだいたい六千数百円くらいに相当します。中小の場合は賃金制度が確立していないため、連合も定昇相当分として5700円の目安を置いていますから、これを下回った場合は格差はむしろ拡大する可能性があります(このあたり、私に誤解があるかもしれませんが)。
とはいえ、数年前までの中小企業では、社長が従業員に頭を下げて、「申し訳ないが、今年の給料は今年と同じで許してほしい。経営状況はわかってもらえていると思う」というケースも頻発していました。これはベアゼロではなく、定昇もゼロという数千円のベダ(ベースダウン)に相当します。連合もこういう状況に危機感を持って中小春闘に取り組んでいるわけで、とにもかくにも今年は昨年より金額では前進しているわけですから、これは立派な成果として評価すべきものでしょう。