やはり流れができた

一昨日の金属労協各社に続き、昨日は電力・通信・私鉄などで回答が提示されました。

二〇〇七年春の賃金労使交渉で東京電力やNTTなどは十五日、経営側が八年ぶりに賃金改善に応じる回答を組合側に提示し、妥結した。東海旅客鉄道JR東海)も六年ぶりにベースアップ(ベア)を回答した。自動車、電機大手などに一年遅れて、公益企業にも賃上げが広がってきた。ただ、上げ幅は小さく、全社員への一律配分を見直す動きも出てきた。
…NTTの賃金改善額は平均で五百円程度。この原資を使って、子供など扶養家族が二人以上(配偶者除く)いる社員を対象に扶養手当を千円増額するほか、成果手当部分を積み増す。NTT東西地域会社など主要六社の一時金妥結額は年間百三十二万二千円(四・四カ月分相当)で、前年の四・五カ月を下回った。
(平成19年3月16日付日本経済新聞朝刊から)

8年ぶり、6年ぶりなのですから、率直に評価していいのではないでしょうか。とりわけ、NTT東西地域会社などでは、賞与が昨年水準を下回る中での賃上げ回答ですから、「賞与より賃上げ」が実現しているわけです。もちろん、労組、組合員が長年のベアゼロに協力してきたことへの配慮は大きいでしょうが、それにしても今次春季労使交渉でのベア復活の流れはできているとみてよさそうです。連合が規模間格差の縮小に取り組むのであれば、これから本格化する中小春闘は非常に重要な意味を持つのではないでしょうか。