ニッポン放送で労組結成へ

ライブドアニッポン放送の経営権獲得を確実とするなか、ニッポン放送に労組が結成される見通しとなったそうです。

ニッポン放送で月内にも労働組合が結成される見通しとなった。十一日に東京地裁ニッポン放送のフジテレビに対する新株予約権の発行を差し止める仮処分を決定。ライブドアニッポン放送の経営に参画する可能性が出てきたため、労組の結成でライブドアへの対決姿勢を鮮明にするとともに、雇用と労働条件の維持を目指す。
平成17年3月16日付日本経済新聞朝刊から

社員としてみれば、乗り込んできておいしいところだけ切り売りし、カネを懐に入れたらハイさようなら、というのが(そんなことができるのかどうか知りませんが)最悪でしょうから、そうならないように労組を結成して交渉力を高めようということでしょうか。それはそれとして、これはある意味ではライブドアにとって朗報といえるかもしれません。

なぜなら、「雇用と労働条件の維持を目指す」ということはとりあえずは会社への残留を念頭においているということでしょうから、有力な社員がいっせいに退職して仕事が成り立たなくなる、という事態は回避できる可能性はかなりありそうだからです。
また、現実に経営権を握れば、どうしたって社員との対話は必要なわけで、その際の窓口としては労働組合があったほうが便利という見方もできます。
いずれにしても、ライブドアもそろそろニッポン放送社員に対する具体的なメッセージを出したほうがいいのではないでしょうか。いくら経営権を獲得したところで、社員が働かなければ経営が成り立たないことは明らかです。
堀江氏は経営権獲得を確実にして勝利の高揚感に包まれているようですが、経営権獲得はスタートであって、ゴールではないのですから。本気でニッポン放送を経営するつもりなら。